欧州食品安全庁、新たに3ヵ国のBSE地理的リスク評価を公表

農業情報研究所(WAPIC)

05.3.29

 3月22日、欧州食品安全庁(EFSA)が新たに3ヵ国のBSE地理的リスク(GBR)評価の結果を発表した。今回の評価の対象国はコス・タリカ、ニカラグア、エル・サルバドルで、いずれもレベルUと評価された。つまり、国産牛がBSE病原体の感染している(発症または潜伏の段階で)ことはありそうもないが、その可能性は排除はできないというレベルである。

 コス・タリカは、旧科学運営委員会(SSC)の評価によりレベルUと評価されていたが、今回の再評価でも結果は変わらなかった。ニカラグア、エル・サルバドルは、SSCの旧評価によるレベルTからレベルUに高まった。いずれも、肉骨粉と生きた牛のリスク国からの輸入による低度の、あるいは情報欠如による不明のBSE侵入のリスクと、BSE拡散の可能性が否定できないか不明な国内体制(家畜飼育システムとBSE拡散防止システム)からこのように評価された。

 これにより、SSCを受け継いだEFSAがGBR評価を完了した国は、昨年8月に結果が報告されたノルウェー、スウェーデン、オーストラリア、南アフリカ、メキシコ、米国、カナダに加え、10ヵ国となった(各報告へのアクセスは⇒http://www.efsa.eu.int/science/tse_assessments/gbr_assessments/catindex_en.html)。新評価基準による評価を完了したのは、SSC時代からの評価を併せて31ヵ国となる。新基準評価が終わらず、旧基準の評価が暫定適用されている国も合わせたすべての評価結果を下の表に纏めておく。評価基準については、欧州食品安全庁(EFSA)、7ヵ国のBSEリスクを評価 米国のリスク高まる(04.8.25)を参照されたい。

GBR 

国名

T

(新評価)オーストラリア、アルゼンチン、バヌアツ、ブラジル、カレドニア、チリ、アイスランド、ニュージーランド、シンガポール、ウルグアイ
(旧評価)ボツワナ、ナミビア、パナマ、パラグアイ、スワジランド

U

(新評価)コス・タリカ、ニカラグア、エル・サルバドル、ノルウェー、スウェーデン
(旧評価)コロンビア、インド、ケニヤ、モーリシャス、ナイジェリア、パキスタン

V

(新評価)アンドラ、オーストリア、ベラルーシ、ブルガリア、カナダ、クロアチア、キプロス、エストニア、フィンランド、旧ユーゴスラビア・マケドニア共和国、ギリシャ、イスラエル、ラトビア、リトアニア、マルタ、メキシコ、サン・マリノ、スロベニア、南アフリカ、トルコ、米国
(旧評価)アルバニア、ベルギー、チェコ、デンマーク、フランス、ドイツ、ハンガリー、アイルランド、イタリア、日本(評価中断)、ルクセンブルグ、オランダ、ポーランド、ルーマニア、スロバキア、スペイン

W

(旧評価)ポルトガル、イギリス

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