農業情報研究所(WAPIC)

世界各国のバイオエタノール生産量

Source: F.O. Licht

2007 2006 2005 2004 2003 2002 2001 2000
米国 246.0 191.5 162.1 143.2 120.6 96.0 81.2 76.0
ブラジル 190.0 167.4 160.7 146.6 147.3 126.2 115.0 106.1
EU 21.6 31.4 27.2 25.0 25.0 25.4 25.6 24.1
中国 18.4 38.5 38.0 36.5 34.0 31.5 30.5 29.7
カナダ 8.0 2.5 2.3 2.3 2.3 2.3 2.3 2.2
タイ 3.0 4.4 3.0 2.8 2.5 1.8 1.0 0.6
コロンビア 2.8 2.8 0.5 0.2 0.2 0.2 0.2 0.3
インド 2.0 2.0 1.7 1.7 1.9 1.8 1.8 1.7
オーストラリア 1.0 1.8 1.3 1.3 1.4 1.6 1.5 1.5
その他 32.9 55.6 51.9 51.9 55.2 52.5 52.7 50.8
世界 495.9 497.9 448.7 411.5 390.4 339.3 311.8 293.0

   (単位:億リットル)

 なお、バイオエタノールの原料は、ブラジルをはじめとする南半球諸国ではサトウキビ、米国や中国ではトウモロコシが中心をなす。キャッサバ、ソルゴーの利用開発も進む。EUでは、小麦とテンサイ(サトウダイコン)が中心をなす。

 国連食糧サミットについて報じる6月4日付の朝日新聞の記事(「バイオ燃料 対立鮮明」、6月4日、2面)で、「欧州では、麦わらや菜種の搾りかすなど非食用植物の原料を使ったバイオ燃料が主流・・・」と書かれているのには唖然とした。バイオ燃料について多少なりとも知る人は誰も騙されはしないだろうが、朝日新聞の書くことだからと信じてしまう人もいるかもしれない。それに、こんな記事を通してしまった朝日新聞社の記事チェック体制も問題だ。

 (ということで蛇足ながら付け加えれば)もしこれが本当ならば、世界中、とりわけ欧米が長い時間をかけて開発を競いながら、なお何時実現するか見当もつかず、あるいは永遠に実現しないかもしれない”次世代バイオ燃料の商業生産”が既に実現していることになる。しかし、残念ながら、というよりもお気の毒なことに、欧州で生産されるエタノールの一つの中心的原料は、小麦の食用部分、つまり”実”であって、決して麦わらではない。また、菜種油は欧州におけるバイオディーゼルの主要原料であるが、その搾りかすからどんな 輸送用バイオ燃料(今議論の対象となっているのは、あくまでも輸送用の液体バイオ燃料である)ができるのだろうか、聞いたこともない。これを書いた記者に聞いてみたい。