インドネシア政府 鳥インフルエンザ感染鳥発見に軍隊とボランティア学生を動員

農業情報研究所(WAPIC)

05.11.15

 インドネシアでは、過去10ヵ月に9人のH5N1鳥インフルエンザ・ウィルス感染が確認された。うち5人が死亡、さらに2人の鳥インフルエンザ死が香港のWHO試験場で今月中に確認されるだろうという。この死者の増加に触発され、インドネシア政府が鳥インフルエンザの封じ込めに本格的に乗り出した。政府は、ウィルスに感染した家禽を見つけ出すために軍隊とボランティア、大学学生を動員、各家庭の個別訪問によりチェックを実施する。ユドヨノ大統領は14日、「我々はこの問題に迅速に取り組まねばならない」、先ずは、官によるウィルス発見が難しいと見られ、5人の死者中の4人が集中するグレーター・ジャカルタ地域の調査に集中すると語った。

 Govt to send in Army for bird flu battle,The Jakarta Post,11.15
 http://www.thejakartapost.com/detailheadlines.asp?fileid=20051115.@01&irec=0

 国連食糧農業機関(FAO)によれば、インドネシアの村々の3000万の家庭で2億の鶏が飼われている。増大する人の間での致死的病気大流行のリスクを回避するには、人海戦術のよる鶏の感染発見と淘汰しかないと決断したものであろう。

 政府の鳥インフルエンザ封じ込めと人のリスク軽減のための作戦には、その他次のことが含まれるという。

 ・国における鳥インフルエンザ勃発の展開をリアル・タイムで監視するための特別事務所の設置。

 ・ウィルスの危険性と症候について国民を啓発する国家的キャンペーン。

 ・タミフル・リレンザなどの抗ウィルス薬の備蓄の現在の75万錠から2000万錠への増加、そのための海外生産者との交渉の開始。

 ・国家製薬企業・PT Bio Farmaへのワクチン生産注文。

 ・インフルエンザ流行期に向けて、5歳以上の4000万の子供へのワクチン接種。

 ・鳥インフルエンザ封じ込めと国民の教育における政府と地方行政との協力の改善。

 ・病院に対する十分な保護具の提供。

 ・鳥インフルエンザ封じ込めのための来年の資金配分の増加。2006年国家予算において、農業省、保健省にそれぞれ2000億ルピー(2000万ドル)、1500億ルピー(1500万ドル)を配分。

 ・ウィルス封じ込めのための資金を調達するために海外に贈与を求める。

 ただし、計画は、政府がためらってきた家禽の大量殺処分については触れていない。

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