EU、WTO農業交渉関税削減でさらに譲歩か 欧州委員会が新提案を支持の報道

農業情報研究所(WAPIC)

05.10.26

  フィナンシャル・タイムズによると、フランス、イタリアなど一部加盟国の反対にもかかわらず、WTO農業交渉で通商・農業担当両委員による新たな関税削減案の提案を欧州委員会が支持した。ドーハ・ラウンドを何としても成功させねばならないという意思からと思われる。また、一層の自由化を求める英国や北欧諸国の苛立ちも考慮したのだろう。

 米国は、EUの最新提案での平均削減率は24.5%にしかならないと計算、米国提案の平均75%はともかく、少なくともG20提案の54%削減までは譲るべきだと主張してきた。新たなEU提案の具体的数字がどのようなものかは、同紙も触れていない。10月18日のEU非公式閣僚会合は、いかなる新提案も事前に加盟国と協議しなればならないこと、農業に関する提案は工業品やサービスの分野とのバランスが取れるものでなければならないことに合意している。これを無視した新提案はあり得ない。

 具体案は今週中に示されることになるというが、交渉が大きく動くのかどうか、予測の限りではない。

 Brussels supports fresh offer of farm tariff reductions,FT.com,10.25
 http://news.ft.com/cms/s/b1e3a502-458d-11da-981b-00000e2511c8.html