中国生物安全委員会 GMイネ商業栽培を承認せず 一層の安全性データを求める

農業情報研究所(WAPIC)

05.12.12

 多忙に紛れて伝えるのが遅れたが、中国のバイオセーフティー委員会が先月28日、遺伝子組み換え(GM)イネの安全性で合意に達せず、安全性を立証するための一層のデータを求めることに決定した。11月28日付けでロイターが伝えた。委員会の74人のメンバーの一人であり、上海復旦大学生物多様性研究所副所長でもあるLu Baorong氏がロイターに対し、商業的放出の安全性に関する合意はなかった、十分な安全性情報が提供されれば来年、再度評価すると語ったという。ただし、農業部GMO局の担当官は会合の詳細を明らかにせず、専門家の意見を集めていると語っている。

 China committee not recommending GMO rice,Reuters via Yahoo! News,11.28
 http://news.yahoo.com/s/nm/20051128/hl_nm/china_gmo_dc_1

 農業部が商業栽培許可を求めたのはアフリカのイネの遺伝子を組み込んだXa21と呼ばれるGMイネということだ。中国は害虫抵抗性のCpTIBt/CpTI を含む4種のGMイネのフィールド実験を行ってきた。8年にわたる研究と実験ののちにXa21の商業栽培許可を申請した中国農業科学院のJia Shirong教授は、「我々は[承認を]待つばかりだ」、「我々は追加データを提出してきた。・・・商業栽培が承認されるかどうかは政府次第だ。いつ承認されるか私には分からない」と語っている。

 報道によると、政府は委員会に多くの食品・環境安全性専門家を追加した、それが合意に達するのを難しくしたという。

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