フィンランドのシェフグループ GM食品の輸入・販売禁止を要請 自然食品チェーンを守る

農業情報研究所(WAPIC)

09.10.22

  テレビでの有名人を含むフィンランドのシェフのグループが、遺伝子組み換え(GM)食品の輸入や販売を禁止するように政府に要請する請願書に署名、21日、グループの二人のシェフが、この請願書を財務大臣に手渡した。

 この秋、政府はGM食品・作物の輸入と生産を許す法案の審議を予定しているが、シェフたちは、GM食品を許せば自然食品チェーンに入り込み、食品の安全性と自然な生産を破滅させると恐れる。

 請願には、”消費者がGM食品やGM飼料を使った動物製品を識別できるように保証することも重要だ”と書かれている。

 Finnish Chefs Urge Ban on GM-Foods,YLE,10.21
 http://www.yle.fi/uutiset/news/2009/10/finnish_chefs_urge_ban_on_gm-foods_1099803.html#

 なお、現行のEU表示制度では、消費者と農民に食品や飼料の正確な性質と特徴を知らせるために、DNAや蛋白質が検出できるか否かにかかわらず、すべてのGM食品・飼料に表示義務が課される。但し、GM飼料で育てられたり、GM薬品で治療されたりした家畜の肉・乳・卵などは表示を要求されない。

 欧州委員会は、EU畜産の競争力維持・強化には不可欠と、GM飼料作物(トウモロコシ)の導入に必死になっている。しかし、EU諸国は、導入の賛否をめぐって真っ二つに割れている。モンサントの3種のGMトウモロコシ(MON 88017、MON 89034、59122xNK603)の販売許可を問うた10月20日の農相理事会も、今までと同様、賛成票も反対票も決定に必要な数に至らなかった。

 http://www.consilium.europa.eu/uedocs/cms_data/docs/pressdata/en/agricult/110614.pdf