農業情報研究所


英仏:フランス、イギリス牛肉の禁輸を継続

農業情報研究所(WAPIC)

2002.3.15

 グラバニ農相に取って代わったフランス・パトリア農相が、BSE(狂牛病)のリスクを避けるためのイギリスからの牛肉輸入の禁止を6月の選挙が終わるまでは解除しないと発表。

 昨年末、フランスのこの禁輸は違法との欧州裁判所の判決が出ているが(英仏:欧州裁判所、フランスの英国牛肉禁輸に違法判決)、フランスはイギリスのBSE発生状況に関する十分な情報がないとして禁輸を続ける(イギリスは30ヵ月以上の牛の食用販売を禁止していることを理由に、他のEU諸国に義務付けられた検査を完全には実施していない)。欧州委員会は罰金を科すことを求めて、欧州裁判所に提訴の動きをみせている。

 イギリスは口蹄疫による禁輸を解除されたが、BSEのためのEUの禁輸を1999年に解除されたが、その条件が非常に厳しく、輸出のための食肉処理はそのための専用処理場で行なわなければならないために採算が取れず、現在、輸出のための食肉処理をするのは2工場にとどまっている。このために、禁輸を解除されても輸出は停滞したままである。それだけに、イギリスは一層苛立っており、EUに対して輸出条件の緩和を求めるとともに、フランスに対する制裁(今までの損失の補償)の実行を要求している。

 Prodi promises to uphold EU beef law,FT com,3.15
 France defiant over British beef embargo,Guardian,3.14
 Brussels threatens France on beef ban,FT com,3.13
 Britain can't sell its beef even after ban is ended,The Times,3.11

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