コブウシにBSE、スイス連邦獣医局が初の発見

農業情報研究所(WAPIC)

04.7.5

 7月2日、スイス連邦経済省獣医局(OVF)が、ゼブ(コブウシ)にBSEを初めて発見したと発表した(Communiqué de presse:Premier cas d’ESB chez le zébu)。このゼブはバーゼルの動物園で飼われていたもので、18歳の雄だという。足を滑らせる、倒れる、角が障害物にぶつかるなど、運動機能の軽い障害が見られたために、BSE基準試験所が脳を検査、BSEと診断した。OVFは、この脳の発見はスイスのBSEサーベイランスの質の高さを一度ならず示すものと誇っている。

 ゼブ(Bos indicus)はアジアとアフリカで支配的なウシの種をなすが、今までのところ、BSEのケースは報告されていない。従って、ゼブがBSEに罹り得ることは確認されていなかった。18年前に英国で発見されたBSEは、家畜としてのウシ(Bos taurus)に広まってきたもので、英国の動物園では、クーズー、エランド、ニアラスといったアフリカ産レイヨウやバイソンにも発見されている。これらの野生のものでの発見例はない。

 このゼブのBSE感染経路は確認されていないが、OVF18歳という年齢からして、肉骨粉が反芻動物飼料に利用できた時代、すなわちこの使用がスイスで禁止された90年以前に感染したと認めることができると言う。