国内30例目のBSE確認　初めての（肉骨粉禁止前）2001年生まれ

農業情報研究所（WAPIC）

06.11.14

  北海道で国内30例目の狂牛病（BSE）が確認された。農水省の発表によると、この牛は、2001年6月28日生まれ、64ヵ月齢のホルスタイン・雌で、飼養地は千歳市という。北海道BSE対策本部によると、この牛は”死亡牛”で、マスコミ報道では、この牛は今月8日に心不全で死亡、歩行の異常などBSE感染牛特有の症状は見られなかったとされている。死亡牛でBSEが確認されたのは11例目。　

　農林水産省：ＢＳＥ確定診断の結果について（３０例目）,06.11.13
　http://www.maff.go.jp/www/press/2006/20061113press_3.html
　北海道BSE対策本部：死亡牛のBSE患畜発生について,06.11.13
　http://www.pref.hokkaido.lg.jp/NR/rdonlyres/3658C29A-69DE-48A3-A456-5223B5D956EE/0/BSE181113.pdf
　千歳で病死の牛、ＢＳＥ感染確認　国内３０頭目　北海道新聞　06.11.14
　http://www.hokkaido-np.co.jp/Php/kiji.php3?&d=20061114&j=0044&k=200611135695

　肉骨粉使用禁止後に生まれ・発見当時異例に若かった2頭の患畜を除けば、2001年生まれの牛でのBSE確認は初めてとなる。2001年以後に感染した牛がBSEを発見できる月齢に達しつつあることを示すものとも考えられる。2001年1月以後に生まれた牛は60-70ヵ月齢に達したところで、これまでに発見された患畜の81％（22頭）は60ヵ月齢以上だったから、2001年以後の生まれで感染している牛がいるとすれば、その大部分は今後発見されることになるだろう。

　ともあれ、これで1995-96年生まれを除く患畜の出生年は1999年から2001年までつながった。97-98年生まれでは1頭も発見されない（99年生まれの発見例も少ない）不自然さがますます目立つ。この不連続が何故生じたかの解明は、感染源究明のために不可欠である。この間に感染源にかかわる特段の変化がないとすれば、出生年別BSE確認件数には連続的変化が見られるはずだ。

　2005年5月の食品安全委員会の「我が国における牛海綿状脳症（ＢＳＥ）対策に係る食品健康影響評価」は、「既に発症年齢に達している1996年後半、1997年、1998年生まれの群にBSE陽性牛が見つからないのは」、1996年の肉骨粉使用禁止通達の「効果を反映しているのかもしれない。あるいは我が国がBSEプリオンに不連続的に汚染したことを反映している可能性もある」と言う。どっちなのか。どちらでもないのか。より確かな結論を出すためのデータは未だ揃わないのだろうか。

BSE確認例一覧