国と県が原発事故自主避難者への住宅無償提供打ち切り すべては東京五輪と福島復興アッピールのため

農業情報研究所環境原子力東電福島第一原発事故関係2016年8月30日

 国と福島県は、福島第一原発事故に伴う自主避難者の避難先における住宅無償提供を来年3月末日をもって打ち切ろうとしている。

 今なお2799人に上る山形県への避難者たちは、除染作業が進行していても事故収束の目処は立っておらず、避難者が安心して帰宅できるにはまだ時間を要すると、「住宅支援の延長を求める会」を立ち上げた(原発事故避難者の「住宅支援の延長を求める会」発足 米沢日報 16.8.28)。吉村美栄子山形県知事もP、内堀雅雄福島県知事に無償提供の延長検討を求めている(<原発事故>避難者の住宅 山形知事が延長要請 河北新報 16.8.26) 。県独自の支援策として県職員公舎を無償提供する方針も明らかにしている(<原発避難>山形県職員公舎を無償提供へ 河北新報 16.8.30)。

 しかし、内堀知事は知らん顔、「求める会」との面会さえ拒んでいる。国(安倍政府)と知事の態度が常人の理解を絶するのは、彼らが常識を超えておのれの政治的利益を追求する利己的政治家だからである。

 東京五輪への期待を追い風に支持率を62%にまで上げた安倍政府にとって(内閣支持率62%に上昇 本社世論調査 マイナス金利「評価しない」47%  日本経済新聞 16.8.28)、いつまでも自主避難者がうろついているのは我慢がならない。

 いまや「風評」払拭と現実にほど遠い福島の復興ぶりを世界にアッピールすることを最大の政治的使命とする内堀知事にしても(内堀知事訪米を発表 県、10月16日から21日まで 福島民報 16.8.30)、自主避難者の存在は目の上のたんこぶ、住宅支援の打ち切りで目の上のたんこぶを切って捨てようというのだろう。 

 しかし、福島の復興をアッピールするには未だ早い。新居の住居下から除染土が現れるようなところに(新築住居下から「汚染土壌」 福島市、票の記載と埋設場所ずれ 福島民友 16.8.30)、「(福島第一原発)1号機原子炉建屋は、使用済み核燃料の取り出しに向け建屋カバーの解体中。カバーは完成した状態なら「平均風速二五メートルに耐えられる」というが、現在は屋根がないため、強度低下は避けられない。この状態の強度は「評価したことがなく、分からない」 」(台風接近 屋根なし1号機 強風不安」 福島第一 汚染水、監視強める 東京新聞 16.8.30 朝刊 1)、そして溶融燃料の取り出しができるかどうか分らず・その処分方法も決まっていないというのに(「溶融燃料」県外処分訴え 世耕経産相に内堀知事、周辺首長 福島民友 16.8.30)、どうして「安心して帰宅できる」だろうか。

 こんな現実に目を瞑る政治家には、いつか天罰が下るだろう。