気仙沼関連報道:過去1週間  最終更新:2022年7月11日

 

大島神社小松宮司が最高階位の「浄階」受ける 三陸新報 22.7.11

 気仙沼市亀山にある大島神社の小松勝麿宮司がこのほど、神社本庁から神職の最高階位となる「浄階」を受け、神職身分1級に昇進した。8日、サンマリン気仙沼ホテル観洋で「昇進を祝う会」が開かれ、神社関係者らがその栄誉を祝った。
 神職の階位は5段階あり、浄階はその最高位。実績や信頼、資質など、さまざまな功績が認められた人に授けられる。関係者によると、浄階・1級を持つ人は全国の神主約2万2千人のうち1%ほどで、県内では現職で8人しかいない。
 気仙沼市内の神社では約半世紀ぶりの栄誉。祝う会は、総代会(村上孝一会長)や県神社庁気仙沼支部(小原真朝彦支部長)による発起人会が企画した。授与日は昨年3月だが、新型コロナウイルス感染拡大のため、時間をおいての開催となった。
 県内の神社関係者や家族らが出席。村上総代会長が「氏子にとっても大変名誉なことで、わが事のように喜んでいる。真心を持って奉仕される姿に信頼と敬意を感じてきた。これからもお元気で」と祝いの言葉を送り、県神社庁長の鍵三夫塩竃神社宮司が祝辞を述べた。
 小松宮司はこれまでお世話になった人々の名前を挙げながら、自身の生い立ちや経験を語り、「身に余る階級を頂いた。支えてくれた皆さまの熱い力のおかげ」と感謝した。
 小松宮司は1979年に大島神社の禰宜(ねぎ)となり、2002年に父・俊一郎氏の跡を継いで宮司に就任。県神社庁副庁長なども務めている。

 

モーランド本吉でブルーベリー摘み取り体験始まる 三陸新報 22.7.11

 気仙沼市本吉町の「モーランド本吉」で9日から、ブルーベリー摘み取り体験が始まった。来場者がたわわに実った実を一粒ずつ摘み取って、甘酸っぱい味わいを楽しんでいる。
 体験はモーランド内のブルーベリー展示圃で行われており、5品種250本ほどがある。梅雨明けが早く気温の高い日が続いているためか、熟すのが例年より1週間ほど早いという。
 実の数や大きさは例年並みといい、中には500円玉ほどの大きさの実も。来場者が摘み取ってパックに詰めたり、その場で味わったりしている。
 町内から参加した親子は「甘くておいしい。ジャムにして食べるのが楽しみ」と声をそろえた。
 べーごこハウスなどは月・火曜日が休業だが、摘み取り体験は無休。時間は午前9時~午後3時。1グループで1パック(500円)を購入すれば、パック詰め放題のほか、全員が食べ放題になる。

 

南三陸町入谷小児童が水田で生き物観察会 三陸新報 22.7.11

 南三陸町入谷地区の新童子下集落(阿部博之代表)による「田んぼの生き物観察会」が8日に開かれ、入谷小学校の3、4年生22人がたくさんの生き物を捕まえて自然の豊かさを実感した。
 自然や農業に親しむ機会として、南三陸米地産地消推進協議会との共催で毎年実施している。講師は栗原市の環境保護団体「ナマズのがっこう」の三塚牧夫さんが務め、気仙沼地方振興事務所、町の職員らも協力した。
 子供たちは網を手に水田に入ると、アカハライモリやカエル、タガメなどを見つけるたびに歓声を上げながら捕まえた。初めはミミズを触れない子供もいたが、阿部さんから「土を良くしてくれる生き物」と教わると、大事そうに籠に入れた。
 生き物は観察後に水田に戻したほか、同協議会が提供した米で作ったおにぎりを味わった。トンボなどを捕まえた児童は「入谷が、生き物がたくさんいる自然豊かな環境でうれしい」と喜んだ。

 

大型サンマ船が不安抱えぎ装作業 三陸新報 22.7.9

 気仙沼港で、大型サンマ棒受け網船のぎ装作業が行われている。ウクライナに軍事侵攻したロシアへの経済制裁のあおりで制約が懸念される今年のサンマ漁。ロシア水域への入漁に関しては調整が難航しており、依然、先行きは不透明だ。
 各船のぎ装作業は、先月下旬からコの字岸壁、港町岸壁、朝日埠頭などで行われている。すでに集魚灯の設置を終えた船もあり、8日には漁に使う棒受け網の準備などを進める乗組員の姿が見られた。
 全国さんま棒受網漁業協同組合(全さんま)によると、今年の漁解禁は、10トン以上20トン未満船が8月10日、20トン以上100トン未満船が同15日、100トン以上船が同20日と例年通り。
 ただし、ロシア水域への入漁に関しては不透明。ウクライナ侵攻前の昨年12月にロシア側との交渉を終え、日本漁船はロシア水域内で5万6千㌧が漁獲できることが決まっているが、「経済制裁の影響でロシア側に諸経費が支払えず、最終的な許可を得るための調整が難航している」(全さんま)という。
 ロシア水域に入れない場合は公海からのスタートとなるが、前線基地の花咲港(北海道根室市)と漁場との往来がネック。ロシア水域を横切る最短ルートは、制裁に反発したロシアの過剰な取り締まりによって拿捕される恐れがあることから、大幅な遠回りを強いられる。
 このため、今年は気仙沼から直接、漁場に向かう動きがある。大型船は例年、8月17日に盛大な「出船送り」を受けて前線基地に向かうが、今年は解禁日の日に気仙沼を出る船が多くなりそうだ。
 第81豊清丸=富山県=もその1隻。中舘捷夫漁労長(80)は「ロシア情勢が不漁や燃油高騰に追い討ちをかける形となっており、現場の厳しさは増す一方。とにかく漁に恵まれることを祈るばかり」と話す。

 

東日本大震災遺構・伝承館が一関の中学生も参加し新たな津波想定で訓練 三陸新報 22.7.9

 気仙沼市東日本大震災遺構・伝承館(芳賀一郎館長)で7日、県が5月に公表した津波浸水想定に対応した避難訓練が行われた。来館者を巻き込んだ初めての訓練で、大津波警報が出された―との想定。災害時の初動や避難場所の階上中学校までの経路、移動時間などを検証し、課題を探った。
 伝承館職員、震災伝承ネットワークの語り部、震災学習で訪れた一関市立厳美中学校の1年生21人など約60人が参加した。
 午後2時に宮城県沖を震源とする震度7、マグニチュード9・0の地震が発生した想定で訓練。緊急地震速報が流れると、参加者はその場で揺れが収まるのを待ち、職員らの誘導で建物外に避難した。その後、40人ほどが市パークゴルフ場、地福寺などを経由するルートで、階上中まで歩いた。
 厳美中の生徒らは発生から24分30秒で階上中に避難、点呼を完了。厳美中の生徒は「思ったより遠くて疲れたが、前の人から遅れないように歩いた。もし本当に地震が起きたら、大人の指示を聞いて冷静に避難したい」と語った。
 新想定によると、伝承館付近は24分で第1波が到達し、最大津波水位は12・5㍍と予想されている。市は今後、訓練の反省と課題をもとに避難方法を検討し、伝承館の避難マニュアルを作成する。
 芳賀館長は「高齢者やけが人など災害弱者がいる場合も考慮し、柔軟な避難計画を立てていきたい」と話した。

 

亀山モノレール整備で市民説明会 三陸新報 22.7.8

 気仙沼市が、公設民営で計画している大島・亀山へのモノレール整備などに関する市民説明会が6日夜、大島開発総合センターで開かれた。出席者からは、地元への説明が遅かったことや市の進め方に不満の声が相次いだものの、計画への反対はなかった。市は、9月末までに運営候補事業者を確定させるなど準備を本格化させる。
 亀山山頂のアクセスやレストハウス改修などの園地整備に関する計画が決定してから、市が市民に内容を説明したのは初めて。大島地区の住民を中心に約60人が出席した。
 市当局がこれまでの経過や、モノレールのルートを収益性や整備コストなどから、亀山中腹駐車場から山頂までとした理由を説明。財源となる国の交付金が採択され、予算確保のめどがたったこと、2024年度の開業に向けて本年度下期に造成工事に一部着手するなどのスケジュールも示した。
 質疑では、多くの住民からサウンディング(市場)調査に伴う前回説明会(昨年12月)以降、進捗(しんちょく)に関する地元説明がなかったこと、計画が決定し、予算可決後の説明会となったことに「これでは事後報告会だ」などと、市の対応に批判が集まった。
 菅原茂市長は、3月末の国の交付金内示や、運営候補事業者の見通しが立たないうちは、市として説明会を開ける状況にはなかったことを説明。その上で、「『こういう状況にある』という話は、伝えておくべきだった。十分でなかったことはお詫びしたい」と陳謝した。
 事業への参画を前向きに検討しているとされる市内の事業者について、菅原市長は「観光関係に関わっている会社」と明言。安定的な運営に向けて、市も何らかの形で参画する可能性を示唆し、採算性を不安視する声には「しっかり黒字を出し、少しでも再投資できるよう条件をつけたい」などと理解を求めた。
 住民からは、山頂までのアクセスに不便をきたしている現状から、「一日も早く実現を」と早期整備を望む声が上がったほか、誘客促進やアジサイの植樹など亀山の魅力創出に向けて、住民のアイデアが反映できる場の設置を要望。山頂の景観や自然に、最大限配慮して計画を進めるよう求める意見も出た。
 市は説明会を踏まえ、当初のスケジュール通りに事業を進める方針。公募を基本に、運営候補事業者を9月末までに確定させ、併行して駅舎設計や造成工事などに着手する。

 

カツオ依然低調 三陸新報 22.7.8

 気仙沼港で依然、生鮮カツオの水揚げが低調だ。6月下旬から落ち込んだ漁は、なかなか回復の兆しが見えない。7月の累計は7日現在、一本釣り船と巻き網船を合わせて355トンしかなく、昨年同期(1021トン)の3分の1以下だ。全体的な来遊量が減っている上、群れが例年よりも沖にあるため、燃油高で探索しきれないと見られる。
 気仙沼魚市場へのカツオの水揚げは、序盤は順調だったが、280トンが揚がった先月24日を最後に状況が一変。例年は200トン前後の水揚げがコンスタントに続く時期なのに1日平均60トン前後しか揚がらなくなった。
 7日は、一本釣り船3隻が27トン㌧を揚げただけで、キロ当たりの平均は622円。1週間前と比較して200円近く上がった。最高値は1260円だった。
 港関係者は、7月に入ってからの漁の盛り返しと価格安定に期待していたが、1週間たっても好転の兆しが見えない。ある買い受け人は「あって当たり前のカツオがなく、このままでは商売が成り立たなくなる。日増しに不安が大きくなる」と表情を曇らせた。
 第27源吉丸(三重県志摩市)の山本隆源漁労長(45)は「今の時期は本来、三陸沖にもいるはずだが、なぜか房総沖より北に群れが見当たらない。燃油高の中で船を走らせても群れに当たらないため、われわれも苦しい」と打ち明けた。
 漁業情報サービスセンター(JAFIC)によると、今年は例年に比べて全体的に群れが薄い上、黒潮が沖を流れているため、群れに当たりにくい状況。燃油高騰で沖の探索ができないため、房総沖の群れを追う船が多いと見られる。
 今後、沖の群れが陸に寄ったり、房総沖の群れが北上する可能性もあるがJAFICは「昨年ほどの漁は期待できそうにない」と厳しい見通しを示す。

 

「赤坂公衆園」のアジサイ見頃 三陸新報 22.7.8