ボランティア活動を意識させる指導
 
 
 ボランティア活動とは、人のためや社会のために自分が出来ることを自ら進んで、無償で行う活動のことをいう。小学生には大きなボランティア活動を行うことは難しいが、自分の身近なところで、ちょっとした簡単なボランティア活動は出来る。このことが社会で必要とされるボランティア活動の第1歩になるのではないかと考えると、小学生で身近なボランティア活動を経験することはとても重要である。
 ボランティア活動は、一切の報酬をうけないのであるが、感謝されれば嬉しいし、感謝されなくてもその活動がうまくいけば、自分でやったという達成感が味わえる。
 そんなボランティア活動の大切さと、ボランティア活動をする喜びを味あわせようと本実践を行った。

本実践は、青少年赤十字(JRC)のトレーニングセンターで行ったものをまとめたものである。授業で行う場合は、青年の家を教室に置き換えるとよい。 


1.ボランティア活動について知る。
「ボランティア」・・言葉を板書

 この言葉を読みます。さんはい。
 
 ボランティアを全員にいわせる。

 この言葉は、英語です。日本語に直すとどんな意味になりますか。わかる人?
 
 ・人のために何かすること
 ・ボランティア活動

 なるほど、辞書でボランティアを引いてみると、志願者、奉仕者と出ます。進んで社会のために無償で参加する人と出てきました。人のために、社会のためにただで、参加することなのですね。
 
 続けて話す。

 もう、このボランティアをしている人が、この中にたくさんいます。例えば、トイレのスリッパをそろえてトイレから出ている人、講義の前に机や椅子の整理整頓をしてくれた人がそうです。他にも、自分から進んで班長に立候補したり、係りの仕事を進んで行ったりしている人もボランティアの心で行動しているのです。  
 
 更に話す。

 この時間はこんなボランティア活動をみんなにしてもらう時間にします。
 
 ボランティア活動は誰のためにどんなことをするか話す。

 自分にボランティア活動でどんなことができるでしょうか。また、どんなことをしたいでしょうか。4つのことに気をつけながら考えてます。(板書する)
 1 人のためになること
 2 自分の力でできること
 3 青年の家のためになること
 4 青年の家を利用する人のためになること
 
この4つを読みましょう。教師の後に追い読みさせる。 
 
2.ニーズ調査を行う。

 これから班ごとに青年の家の中、例えば講堂、ロビー、玄関、部屋、風呂、洗面所、トイレ、あるいは、外周りを見て、こうしたら人が喜ぶな、人のために、青年の家のためになるなということを見つけてきます。ノートに自分でメモします。どんな小さな事でもいいです。思いつくだけ箇条書きで書きます。
 何か質問はありますか。
 
 質問があったら答えてあげる。

 調査の時間は10分間です。10分たったら講堂に戻ってきます。調査の約束をします。
 1 廊下を走らない
 2 大声を出さない
の2つです。この2つの約束を守って調査に行ってください。
 
 班ごとに調査にいかせる。
 児童が戻ってきたら、
 
3.自分のできることを決める。

 いくつノートに書けましたか。1つの人、2つの人(挙手確認をし、書いてきたことをほめ、たくさん書いてきた子をうんとほめる。) では、どんなことを見つけたか発表してください。
 
 5,6人に挙手発表させて、簡単に板書する。時間に余裕が有れば、戻ってきた子から、ノートに書いたことの中から1つ黒板に書かせてもよし。2人目以降は、黒板に書いていないことを書かせるのもよし。

 いろいろな場所で、いろいろなボランティア活動ができるのですね。では、これから自分がしたいボランティア活動を決めてもらいます。ノートに書いてある中からでも良し、黒板を見てその中から決めても良し、どれか一つ決めます。
 
数分のうち、挙手確認で確かめる。

 何をするか決まりましたね。青年の家を調査してどんなボランティア活動ができるか気づきました。次は行動するです。おや、何か足りないな?何かな。 
 
考えるです。

 その通り。ボランティア活動を行うにも考えることが必要なのです。カードに計画を立てて考えます。このカードは、みんながやろうとしていることが確実にできるようにするためのカードです。
 
 
4.VSカードに記入する。
(VSカードを配布)

 日付、HR番号、名前を書きます。書けたらそのカードを見ています。
 
 全員書けたのを確認して

 まず、自分がやろうとしていることを「仕事」(WHAT)の所に書きます。
 
 一時一事の原則で一つのことをやらせ、それができたら次に移るようにする。

 次にいつやるのか書きます。今回は、7月24日(水)VSの時間とします。全員このように書いてください。
 
 不明な児童がいると思うので、机間巡視をしたり、もう一度繰り返したりして、なんと書けばよいのか教えてあげる。

 次は、そのボランティア活動をなぜやるのか考えます。ここはよく考えてください。その活動をなぜ行うのでしょう。誰のために行うのですか。それをやるとどうなるのですか。書く前に発表できる人いますか。
 
 書かせる前に挙手発表させ、これから自分が行おうとする活動が、誰のためになぜ行うのか明確になっているかどうか、また、その活動を行うとどうなるのかが書けているか個別評定で判定し、不十分なところは、質問に答えさせることで、良いものにしていく。   

 では、みなさん書きましょう。
 
 書き方を分からせて書かせる。机間巡視をして、全員書けているかどうか確かめる。

 最後にどのようにやるのか書きます。例えば、(といって板書する。)
 ・やり方
 ・準備
 ・片づけ方
 
 教師の後に追い読みさせる。

 やり方は、ボランティア活動をどのように行うかです。順番に書いてもいいです。
準備は何を使うかです。自分で用意できないときには、誰に借りるかも書きます。
片づけ方は、使ったものの始末、集めたゴミや草などの始末をどうするか考えることです。ここまで考えます。書きながら考えましょう。質問があったら言ってください。
 
 VSカードに書かせる。なかなか書けない児童には、こちらが教える形になっても構わない。全員書けたか確認して
 
5.ボランティア活動を行う。

 みんなよく頑張って書きました。ボランティア活動でどんなことをしたらよいか気づき、そのボランティア活動をどのようにすればよいか考え、いよいよ実行するです。
 活動時間は30分間です。もし、それより早く終わったら、別なボランティア活動をしたり、誰かがやっているボランティア活動を一緒にやっても構いません。
 30分たったらここに戻ってきます。何か質問はありますか。では、人のために、青年の家のためにみんながんばってください。
 
 質問があったら聞き、そして答える。そして、実際にボランティア活動をさせる。