Documentary Film

神の子たち

 

一人で観て正解だった。映画の途中、私はどんな顔をして見ていたかわからない。

ゴミ捨て場の崩落事故の場面から始まったが、その惨い光景を私は早くも直視できなくなり、

最後まで映画を見つづけられるか自信がなくなった。

毎日のように亡くなっていく子供の顔をたくさん見た。小さな棺の中で真っ白に硬直していた。

未熟児で肺病の子供を見た。吐いた血で顔中真っ赤になって、亡くなった。

自分の愚かさに呆れながらも、何度も顔をスクリーンから背けてしまった。

でもこれは、同情を求めている映画ではない。

スモーキーマウンテンで生活する人々の極限に近い貧困、悲惨さを訴えているだけの映画でもない。

そこに生活している人々の力強さ、人間愛、生きようとする力・・・そういうものを手荒に教えてくれる気がする。

情緒とか感動とか、そんなもんじゃないと思った。ほんとに手荒に、衝撃的に感じさせてくれる。

私は泣かなかった。そんな気持ちではなかった。

ただただ呆然と、ひたすら伝わってくる何かを受け止めるので精一杯という感じ。

もしかしたら泣きそうだったしれない。でも、それはきっと、感動とか哀れみとかの涙なんじゃなくて、

複雑で衝撃的で、どうしようもない気持ちをどうにか処理するための手段のような、そんな涙だと思う。

「餓死をしても悪いことはしない」と言いながらゴミを拾うニーニャ、

水痘病で頭がとても大きくなってしまったアレックスの声と瞳が頭から離れない。

大変な映画を観てしまった気がする。