福島県相馬市にある「原釜尾浜海水浴場」は県内有数の海水浴場で夏には、たくさんの海水浴客でにぎわいます。
梅雨明け間近の日曜日、海水浴には水温がやや低めと判断したわれわれは、海水浴場の近くにある、尾浜人工磯場での磯遊びに出向いたのでした。人工と聞くとやや興ざめしそうですが、なかなかどうして本物の海が洗う磯場は、自然の物と遜色なく、それでいて安全性が高く、昔に比べ良い磯場が少なくなってしまった現在、子供たちが磯遊びを体験するには最適な磯場なのです。

尾浜人工磯場は原釜海水浴場と隣接しており、海水浴シーズンだと海水浴場側の駐車場は有料になりますが、磯場側の駐車場は無料です。ただし、この季節は車がいっぱいなので駐車するのにちょっと苦労するかも知れません。少し歩くことを覚悟するなら、埠頭の方には車を置ける場所はかなりあります。
潮だまりや砂地では、小魚やアサリを捕ることもできますが、この磯場での楽しみといえば、なんといっても「カニ釣り」です。
この磯場にはカニがたくさんいて、スルメをエサに簡単に釣ることができるのです。
仕掛けはとても簡単で、細く切ったスルメイカを糸でしばり岩の間から水中に垂らすだけ。待つことしばし海中の岩の間から、カニくんたちがゾロゾロと現れ、我先にスルメの取り合いをはじめるのです。スルメを両のハサミでしっかりと挟みこんだ頃合いを見計らって、すいーっと引き上げると、「はい!いっちょあがり」。コツさえつかめば子供でも、次々に釣り上げることができます。
1回に2匹釣れることもあり、「ダブルゲットだ!!」なんてはしゃいでいました。
これが、けっこうやり始めるとハマるのです。最初は「カニなんかより魚やアサリの方がイイ」と言って網を振り回して小魚をすくって、カニ釣りには見向きもしなかった子供たちでしたが、仕掛けを作ってあげて、やらせてみたら案の定、すぐに夢中になって岩場に這いつくばっていました。
今回、釣ったカニはすべて逃がしてきましたが、これらのカニは、もちろん食べることができます。味噌汁に入れると素晴らしいダシが出ます。油で揚げても酒の肴に最高です。
中には、バケツ一杯捕っている地元民と思われるおじさんもいました。自分の店で売るのかも知れません。
■尾浜人工磯場
* 市町村名………相馬市
* 駐車場の有無…300台
* 関連設備………海の家10軒
* 宿泊ガイド……松川浦観光案内所(0244)38−7666
* 所在地…………
* 交通……………JR常磐線相馬駅から原釜行きバス尾浜下車
* 問い合わせ先…相馬市観光協会
* TEL (0244)36-3171
* FAX (0244)36-3184

原釜尾浜人工磯場