震源の深さが8kmと浅い、直下型地震の典型例です。
緊急地震速報の放送時刻は、インターネット上の動画で確認しました。気象庁は、55.2秒に一般向け緊急地震速報を発表しました(所要時間4.5秒)。NHKのアナログテレビ放送で、57秒くらいに放送されています。気象庁発表から放送までに、この地震でも2秒程度を要しています。アナログテレビ放送は、グラフの「ラジオ」に該当します。
震央距離が24.9kmとやや離れているために、地震警報器では主要動の3〜4秒前に鳴り始めます。
気象庁発表と重なるように、震度が5強に跳ね上がっています。その後、震度6弱まで揺れが強まり、ラジオなどで緊急地震速報のチャイムが流れ始めます。
このデータは、この地震で最大の揺れではありません。気象庁のホームページでも加速度データなどは公表されていませんが、震源地から33.2kmも離れた栗原市一迫が最大のようです。
また奥州市衣川区では、直交する3軸(南北・東西・上下)の加速度のベクトル合成値が1816.5[ガル]と、重力加速度(980[ガル])の2倍近い値を示しています。死者・負傷者や建物の倒壊の出る危険な数値です。
例えば、重力加速度を上回って下方向に動けば、固定されていない物は浮き上がったり・飛んだりします。これには、人間も含まれます。兵庫県南部地震(阪神淡路大震災)で、冷蔵庫が天井を貫いた話は有名です。
この地震では、負傷者448名・死者17名が出ています。突然の大地震に驚き・行動したことで骨折したなどの事例があったようです。
グラフから、現状の緊急地震速報システムでこの状況は改善できないだろうと考えられます。
地震警報器であれば大揺れの3〜4秒前に鳴りますから、危険な場所から数歩でも離れて・身構えることができます。
またグラフから、「地震警報器が鳴ったら、とにかく危険な場所から離れる」ことの必要性がわかります。