高感度 地震警報器

過去の地震データに、地震警報器と緊急時地震速報のタイミングを示しています


■新潟県中越沖地震■

東京電力柏崎刈羽原子力発電所の直下に、活断層が発見された地震です。震源の深さが17kmと浅い、直下型地震の典型例です。

この当時、緊急地震速報は運用されていませんでした。そこで気象庁発表の時刻を、P波開始時刻から3.8秒後としました。この時間は、成功事例の平均的な所要時間です。

グラフから、緊急地震速報の放送は間に合いません。
地震警報器であれば震度6に達する4秒前に鳴りますから、危険な場所から数歩でも離れて・しゃがんで・頭をかばって地震をやり過ごすのが精一杯です。大地震では着衣などで滑りますから、動くのは危険です。「地震の間は動けない」と考えます。
また地震警報器が鳴った時点で、大地震かどうかはわかりません。とにかく、反射的に危険な場所から離れるだけです。

グラフは、この地震の最大の揺れではありません。使用に当たって許可が必要そうでしたので、気象庁のデータのうち最大の揺れを使いました。そのため、最大震度が6弱になっています(全域での最大震度は6強)。

この地震で最大の揺れは、柏崎市中央町の観測データです。気象庁のホームページをみると、たった2秒弱の間に変位(地面の動き)が1mもありました。データからは、南東⇔北西方向の横揺れだったようです。固定されていない家具は、勢いをつけて倒れます。死者・負傷者や家屋の倒壊など出ないほうが不思議なほど危険な揺れです。
また、この観測地は震源地から21.3km離れています。グラフの出雲崎町米田は11kmですから、活断層から遠い地域の方が大きく揺れた事例です。兵庫県南部地震(阪神淡路大震災)では、震源地から40kmも離れた宝塚市でも震度7を観測しています。

また柏崎市西山町池浦では、直交する3軸(南北・東西・上下)の加速度のベクトル合成値が1018.9[ガル]です。これは、重力加速度の980[ガル]を上回る数値です。この数値も危険です。


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(C) 勝部雅稔 2011