地球温暖化の原因と問題解決

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 ちょっと刺激的な結論になりますが、臆せず分かりやすく説明したいと思います。また、問題の質と大きさを感じていただけたらと思います。

 地球温暖化の原因は人口爆発と文化的生活≠セと考えています。

 人類は生存に必要な呼吸で、0.35トン/年のCO2を出しています。これ以外に経済活動などで、一人当たり4.4トン/年のCO2を排出しています。これは世界平均で、日本国内だけで計算すると8.54トン/年です。いわゆる文化的生活をしている地域ほど、排出量が増える傾向にあります。この一人当たりの数値は、1990年当時とほとんど変わっていません。現在の世界人口は1990年の1.5倍になっています。つまり、現在のCO2総排出量は1990年の1.5倍になっている…ということです。
このように考えて、人口増加が温暖化をもたらしているのではないか?と考えました。

 上記予想の直感的理解には、世界人口と世界平均気温の推移を1枚のグラフに重ね書きすればよいと考えました。因果関係が正しければ、同じ傾向を持つハズです。こんなデータをネット上で探しましたが、見当たりませんでした。仕方ないので、自分で作ることにしました。世界人口は国連と国立社会保障人口問題研究所のサイトに、世界平均気温は気象庁にデータ(csv)がありました。これらを表計算ソフトに入れてグラフを作成したのが下図です。ねっ、「やっぱり!」でしょ?

 データを簡単に説明します。世界人口の国連の統計開始は、1950年です。産業革命当時からのグラフにしたかったので、国立社会保障人口問題研究所の50年間隔の推定値を使いました。グラフのカクカクしてる部分が、その継ぎ目です。
 世界平均気温の統計開始は、1891年です。それ以前は大して気温変化もなかっただろうと思い、1891年から10年間の平均気温として世界人口の開始年に合わせています。また気温は絶対値ではなく、気象庁の説明によれば1991年〜2020年までの平均気温からの偏差です。

 グラフを詳しく見ていきます。
 1940年頃をピークに、気温が一時的に上昇しています。この頃は第二次世界大戦がありました。軍事産業によるCO2の大量排出が原因かもしれません。仮にそうだとして、第二次世界大戦が終了した後に気温が下がっています。これは、森林などの自然による回復力が上回っていたと考えることが出来ます。当時の人口は20億人程度ですから、自然による回復力にも余裕があったと考えることもできます。
 1960年頃からは、人口が急速に増加し始めています。その20年後に人口が40億人を突破しますが、このころから気温が上昇し始めます。自然によるCO2吸収量を、主に人類が排出するCO2が上回ったと考えることが出来ます。それ以降も人類の増加は止まらず、気温は上昇の一途をたどっていると考えることが出来ます。

 なぜ、人類は大量のCO2を排出するのか?を考えながらネット検索してみると、いくつかの要因がある様子です。やはり、文明の利器に頼る生活をしている先進国では大量排出の傾向があります。文化的な違いもあり、例えば日本と米国では、米国のCO2排出量が人口比を超えて多くなっています。目立つのが石油産出国の大量排出で、中東など自然条件が厳しいこともあってかCO2排出量が多くなっています。また人口も多く「世界の工場」とも呼ばれる中国は、CO2排出量が多くなっています。

 温暖化は人類だけの社会問題ではなく、地球規模の物理的問題です。その原因が、私たち「人類」と言う構図です。私が専門とするアナログ電子回路は物理学で、数学を道具に問題解決を図ります。そんな私が思うのは「真因に手を付けずに、ほかの手段で問題解決を図ることは極めて困難である」です。
 しかし、どういうわけか「人類の個体数削減」の議論がありません。持続可能な社会を目指したSDGsも、温暖化抑制の効果は期待薄であると思います。

 どれくらい深刻か?を簡単に計算してみましょう。現在のまま、つまり一人当たり4.4トン/年のCO2排出を維持するとして、世界で何人なら温暖化することなく暮らせるか?と言う計算です。
 産業革命当時が、地球が許容できる人類によるCO2総排出量だとします。当時の人々が排出するCO2はカーボンニュートラルの原理から、呼吸だけとします(一人当たり0.35トン/年)。当時の世界人口は、10億人です。すると当時の人類によるCO2総排出量は、3億5000万トン/年です。これを現在の一人当たりのCO2排出量である4.4トン/年で割れば人数が計算でき、8000万人となります。2022年11月に、世界人口が80億人を突破したと報じられました。この80億人を8000万人にすれば、問題解決が図れそうです。世界中で生き延びられるのは、100人中たったの1人です。
 人類の個体数を減らすことと等価な代替手段は、ちょっと見当たらない気がします。これが現実であり、これが物理です。

 私たち人類は、温暖化の犯人です。あらゆる生物目線で温暖化を見れば「オイ人間、テメぶざけんな!」でしょうね。例えば、ほかの生物が犯人なら、人類は躊躇せずに死滅させることでしょう。犯人が自分たち人類であるときに、問題解決は図れるのでしょうか?

では、また!

2023年9月10日
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