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本サービスは,書籍「オペアンプ スペックと活用」のご購入者限定です。
■サービスとその背景
オペアンプIC・メーカーが供給しているSPICEモデルのスペック・データを,無料でご提供します。「入力オフセット電圧」や「GB積」など直流・交流のスペックを20項目程度,その数値や測定条件を一覧表にしたものです。スペック項目によっては,グラフやその生データも用意しています。
スペックの数値を用いた応用計算とその検証をする場合に,ハードウエアの組み立てから始めると,手間と時間がかかります。
シミュレーターは,この問題を解決してくれます。シミュレーターも,フリーのソフトが入手できます。
ICメーカーのSPICEモデルを使おうとすると,「スペック値が明らかになっていない」ことが問題になります。そこで,個別のSPICEモデルを調査・測定して,スペックの数値データを無償供給するものです。データの数値は6桁ですから,大抵の応用に対応できます。
パソコンさえあれば,新たに費用を投じることなく,ご自宅でも応用計算を身につけることができます。
SPICEモデルの各スペックの振る舞いは,実際のオペアンプと同じです。実際のオペアンプとSPICEモデルの違いとして,PSRRと雑音がないことと,非線形もほとんどないことが挙げられます。しかし,応用計算の基礎を身につけるには十分です。
■供給できるスペック・データ
下表のSPICEモデルのスペック・データが供給できます。下表は,データ作成日付のあたらしい順に並べてあります。
SPICEモデル | 特徴 | File Size | データ作成日付 |
LF356 | P-JFET入力 汎用 CMRRに周波数依存性
直流出力抵抗に非線形 | 189kB | 2008/10/31 |
RC4558 | PNPトランジスタ入力 汎用 | 86kB | 2008/10/17 |
uA741 | NPNトランジスタ入力 汎用 | 74kB | 2008/10/17 |
TL07x, TL08x | P-JFET入力 汎用 | 95kB | 2008/10/17 |
File Sizeは,zip圧縮後の数値であり,解凍すると1.5倍程度になります。
■供給方法
ご希望の方は,電子メールでお申し込みください。その際,ご希望のモデル名(「全部」でも結構です)・お名前(フルネーム)・書籍の最終ページにあるSerial Numberをお書き添えください。
いただきました電子メールに,ご希望のスペック・データを添付して返信いたします。
スペック・データは,zipで供給いたします。またスペック・データは.htmlファイルで,グラフなど画像は.pngファイルです。.htmlファイルは現在お使いのブラウザでよいと思いますが,zipの解凍と.pngファイルが表示できる環境をととのえてください。
■おねがい
ご提供するデータは,「信書」扱いです。また,ICメーカーとの合意・提携などはありません。シミュレーター上でのスペック測定方法を独自開発し,またSPICEモデルを解析して作成したものです。
データ作成の過程では,数多くの数値を扱い,また手作業も含まれます。できるだけミスが発生しないような環境を整えておりますが,ノーミスを完全に保証できるものでもありません。仮に誤りがあっても,それによって生じた不利益・損害などに対して,著作権者は一切の責を負わないものとします。
ご提供するデータは,ご購入いただいた書籍の理解促進を主な目的としています。著作権者は,提供するデータの著作権を主張いたします。転載や販売などは,禁止します。
なお,データ作成の背景にある技術情報は,公開いたしておりませんのでご了承ください。
■シミュレーターの活用 (New)
どのシミュレーターが良いのだろう?とお考えであれば、私はLTspiceをお勧めします。リニアテクノロジー社が、無償で供給しているシミュレーターです。日本のリニアテクノロジー社のホームページから、ダウンロードできます。最新バージョンは、LTspiceIVです。(2013年4月28日現在)
LTspiceを使ってみて不満に感じたのは、HELPがあまり親切ではないことでした。HELPは英語で、あまり詳しい説明がされていません。例えば、
オペアンプにリニアテクノロジー以外のマクロモデルを使うとき、どんな手順で行えばよいのか?
が分かりませんでした。私が取り組んだ当時は、書籍は無く、日本に良いサイトも見当たらず、結局英語圏のサイトから情報を得ていました。現在は書籍も発売されていますので、これをご利用になるとよいかもしれません。シミュレーターとはいえソフトウエアのそれですから、「決め事」には従わざるを得ません。それでも何度かやってるうちに、慣れてきます。
LTspiceの性能ですが、「オペアンプ スペックと活用」に出てくる基本回路の応答であれば、まったく問題ありません。直流や交流の解析ツールも備わっています。
例えば、測定点のGND(0V)からの電位や、任意の2点間の電位差も測定できます。配線を流れる電流も測定できます。これらは、直流・交流を含めて行えます。周波数や位相の周波数特性を、グラフ表示することも出来ます。過渡解析もできます。実回路では測定器の影響を受けやすい測定点であっても、ちゃんと測定できます。
シミュレーターが使えるようになると、計算式の検証に役立ちます。方程式を解くなどで作った計算式は、検証したいところです。LTspiceは6桁の数値が得られますので、大抵の検証にお使いいただけます。
デバイスの等価回路の勉強の材料にもなります。抵抗器やコンデンサやトランジスタやダイオードなどを、シミュレーター用に等価回路にしたものを「デバイスモデル」と呼びます。このデバイスモデルを扱った書籍が販売されています。そこには例えば、トランジスタの等価回路を構成する素子とその発生メカニズムやモデリング方法などが書かれています。こういうことは、半導体物理からコツコツやればよいのでしょうが、全体像がイメージできるようになるまで結構な時間がかかります。ところがデバイスモデルから入れば、短時間で全体像が見えてきます。実回路では困難な測定課題も、シミュレーター上であれば難なくできることもあります。これによって理解が深まれば、応用範囲も広がります。
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