日本未記録種 Commelina caroliniana Walter 
カロライナツユクサ
新和名)の概略

 2010、大分県にシマツユクサ(Commelina diffusa Burm. f.)らしき種が咲いている情報を得た。この種を詳しく調べた結果、シマツユクサとはまったく別の種のCommelina caroliniana Walterであることが判明した。 
 本種は国内未記録種である。新和名をカロライナツユクサとして詳細は現在投稿中であるためここでは概略を先行して紹介する。

 なお同定についてはC. carolinianaを深く研究され、長い間種の位置づけが曖昧であった本種の正体を明らかにしたツユクサ科の分類学者
Robert Faden博士に依頼した。 スミソニアン研究所の温室でも1年間栽培して調べていただいた結果、同一種であると判断された種である。

写真1 一年草、茎を地面に這うように広げて繁殖する本種 写真2 苞のようす 縁は合着しない 

写真3  ツユクサ(C.communis)とカロライナツユクサの花の比較 写真4  花弁は淡い青色で3枚ある 

 カロライナツユクサはシマツユクサに非常によく似た種である。 本種は
1788Walterによってカロライナ州から報告されたことからcarolinianaという種小名がつけられているが、原産地はアジアである。 アメリカではカロライナ州で発見された後、1989年にFaden博士によって種の正体ならびに原産地が明らかにされるまで、200年以上もの間、ツユクサと混同されたり、別種とされたり、種として認められなかったり、近年までシマツユクサのシノニム扱いであったりと種の位置づけが混乱し続けてきた種である。

シマツユクサと本種のわかりやすい区別点の1つは種子である。 シマツユクサ種子は茶褐色で網目模様をしているが、本種の種子は濃い茶褐色で平滑である(写真5)。  (これ以外にも区別点がありますがここでは略します)  

写真5 上:刮ハ  左:包まれた種子  右:落下する種子


※カロライナツユクサとシマツユクサの情報がありましたら教えて下さい。

 シマツユクサは九州南部〜琉球、台湾から熱帯に広く分布とされています(日本の野生植物・草本T単子葉類,平凡社)。近年分布域より北部の熊本・徳島・大阪・京都・愛知・静岡・千葉・茨城でも見つかった情報がWeb上などでも公開されていますが、今までカロライナツユクサとシマツユクサは国内では見分けられていないため、特にこれらの地域には(もちろんこれ以外の地域でも)本種が生育している可能性があると考えられます。 

 現在11月中旬ですので、花はほぼ終わりですが種子の観察ができる時期です。


 カロライナツユクサ
シマツユクサの分布状況を調べています。どちらかよくわからない場合でもかまいませんので、情報がありましたらメールまたはBBSにてお知らせいただければ幸いです。

 (2011.11.11,Nakamura )