久住−雨ガ池 
(大分県)2003.6.11
1358m
今回は「ミヤマキリシマに会いに!!」の合い言葉のもと

長者原(ちょうじゃばる)から雨ガ池(あまがいけ)をめざします。

この日は、入梅になった翌日でしたが、ピンポイント天気予報で調べると、なんと雨の確率0%ではありませんか。 それなら、行ってみようということで迷わず出発しました。
長者原のタデ原湿原 スタート地点の吊り橋


長者原に到着したところ、確かに雨は降っていません。しかし、もの凄い風。そしてさすがに今から行こうとする、雨ガ池方面は標高が1358mもあるため、ガスがかかっています。

長者原のタデ原湿原は、樫原湿原にもおとらず、ここも九州の尾瀬と呼んでいいくらい、すばらしい湿原です。

この日はあいにくの強風で湿原の植物は大波を打っていました。帽子も吹き飛ばされそうです。 とてもカメラにはぶれてしまって写せそうもありません。その中シライトソウの花が大きくゆれていました。
イブキトラノオ ノアザミ

ようやく、湿原を抜けたところに出ました。風は樹林帯にさえぎられ、静かになっていました。イブキトラノオ・ノアザミのお出迎えです。

ここからは、新緑の木々におおわれた森のトンネルです。

登山道沿いには透き通った湧き水が見られます。 なるほどここが、タデ原湿原を形成する源なのかぁ。なんて思いながら、ゆるい傾斜の登山道をここちよく登って行きました。
マタタビ

白くなっている葉が目立つマタタビ、この木を猫に与えてみたことがあります、木なのに猫がじゃれついてきてそのうち酔っぱらったようになってしまいビックリしました。猫にマタタビって本当です。


エゴノキはちょうど満開で、登山道には風で落ちた白い花びらがたくさんちりばめられていてニングルの森を思い出させます。


エゴノキ バイケイソウ

やや花の時期を終えたバイケイソウも見られます。尾瀬のコバイケイソウは有名ですが、バイケイソウの花の方は緑がかった色で大きくて、壮大な感じがします。



登山道も中程をすぎると、苔むした岩が目の前に現れてきます。ふと近づくと半透明の白色をしたギンリョウソウがあちこちに顔を出していました。


ギンリョウソウ

いよいよ雨ガ池も近くなってきました。ブナの樹林帯もあたりが明るくなり、ニシキウツギやヨウラクツツジの美しい紅色の花にも出会います。
このヨウラクツツジも九州にのみ分布する種でとても綺麗な色をしています。
ニシキウツギ ヨウラクツツジ


ついに雨ガ池に到着。
雲に覆われている雨ガ池付近になるともう、雨具を付けなければ、しっとりと濡れてきます。ガスも結構凄くて前方の風景が見えません。

そのガスの中、美しい淡紅色が見えてきました、ミヤマキリシマです。
ついに姿を表しました。

花は霧島〜♪♪で知られるミヤマキリシマは九州特産のツツジで、花は約2cmほどのとても小さなツツジです。
花をいっぱいに広げて咲き、満開の時には久住の山の裾野をピンク色に染めあげてくれます。

今回は濃いガスのため、久住の山裾を染め上げたその風景は見られませんでしたが、また、来年の楽しみとして下山の路につきました。
ミヤマキリシマと雨ガ池