秘史の方は有名でよく見かけるので、集史バージョンで描いてみました、ジェベの登場シーン!
ジェベはねっ、絶対ねっ、ボオルチュを一度ロックオンしてから、わざと外して馬を射たと思うのよねっ! 

秘史でも集史でも、モンゴルの資料はどこまで本当なのか解ったもんじゃありませんが、
二つの話を比較して重複部分を選び出してみると、
ジェベが初めてテムジンの前に引き出された時、敵方の雑兵だったということです。
秘史では一人で捕まってるし、集史でも、敵が巻狩りに来るような危ない所を
上級将校が一人でうろつくことはないでしょう。
(狩りをしていたのか斥候だったのかわかりませんが、食糧確保のための狩りだろうと私は思うので、
こんな作画にしてみました。よほど困窮して、遊牧からの食料だけでは足りない状況だったのだろうと。)

それにしてもこうしてみると、テムジンの伯楽眼の凄まじさはさすがです。
彼は野戦司令官としてはかなりのへっぽこで巻き込まれては負けていますが、
たくさんの石ころの中からギョクを探し出す人物鑑定眼にかけては、まさしく世界髄一の天才です。
星の数ほどの投降兵の中から、こうしてちゃんとモンゴル一の指揮官を見つけ出すのですから。
(これ↑と、ケツまくるタイミングの正確さにかけてはまさしく世界髄一!)
「まず10人を指揮させてみて見事だったので、だんだん数を増やした」とあるけれど、
十人指揮するのと一万人指揮するのとは訳が違いますからね。

ジェベという名前については鏃(やじり)説が有名ですが、
那珂通世博士の説かれる戦馬説の方が、筋が通ってて有力だなと私は思います。
ジェベはテムジンの「ジェベレグ(戦馬)・アマン(口)・チャガン(白)・クラ(黄馬)」、
つまり「口の白い黄色の戦馬」を射殺しているので、降伏が容れられた時に
「お前が射殺した戦馬のかわりとなって戦え!」と言われたってことですよね。
唐突に鏃といわれるよりも自然かと思います。
どっちにしてもカッコイイしね!

ちなみにジェベとつけられる以前の名前は「ジルゴアダイ」といい、6番目の男という意味でした。
上にお兄ちゃんが5人いたってことですね。
ということで、私はひそかに六郎さんと呼んでいます。
皆さんもひそかに呼んでみて。
「六郎さーん!」
・・・ジェベのがかっこいいけどね!(笑)