ナスカ展行ってきました!
日記06,3,26

彩色陶器が中心でした。
しかしそれがまた、今作ったばっかりですと言われてもぜんぜんおかしくないほどの保存ぶり。
割れてもいないし、彩色された色さえほとんど退色していません。
このままお土産やさんに並んでても違和感のない完品振りです。

そしてそれらがまた綺麗で、なによりかわいくて!
南米の陶器文化にもいろいろあって、たとえば以前見たモチェ文化の陶器はリアルな作りすぎて
見てて気持ち悪いくらいだったんですが、
ナスカの陶器は、とにかくかわいい
形も、描いてある絵も、もうもうとにかくかわいいんです!
放射状に並んだお魚の顔が、ちょいちょいちょいちょいっとお皿のふちからはみ出してたりっ!
猿がピーナツ持ってたり! ハチドリが蜜吸ってたり! 畑で種まきしてる人たち線目だしっ!
南米のものなのでイラストにも生首満載だったりするのですが、生首までかわいい!(いや、ほんとに)
どうしたらこんなにかわいくデザイン化できるんでしょう。
ナスカの気候や自然環境は今とたいして変わらないはずで、人々はあんなに乾いた厳しい地で
苦労を重ねて生きていたはずなのに、どうやってこんなにかわいく愛らしい世界を見ていたのでしょうか。
・・・・・・・ううっ、かわいいっっ!(お土産の絵葉書のハチドリの陶器を見つつ)

ミイラや、縛って変形させたり、外科手術のあとのある頭蓋骨もきていました。
頭部手術は何のためにしていたのか不明だそうですが、生存率は6割くらいだそうです。
穴というか、頭蓋の骨の半分くらいがなくなっているものもありました。
さすがにその人は手術後すぐ亡くなっていましたが、中には前頭葉の6x10cmほどの穴が
薄い骨でふさがってきているものもあって、術後長いこと生存していたことがわかります。
そしてミイラはさすがの保存ぶり。
眼球が残ってるものまであってびっくり。黒目が確認できます。
この展示会にあわせて詳しくミイラの科学チェックをしたところ、、
元素の同位体から、トウモロコシが主食だとわかったとか。
放射性炭素の年代特定だけじゃなくて、いろんなことがわかるんですね。
あとDNAから、もとはバイカル湖周辺にいた人たちだったことがわかったそうで、
日本人とも繋がってるんだそうです。
(バイカル湖周辺のマンモスハンター、現在のブリヤート族と近い人たちが
北から北海道や津軽海峡を越えて、本州に入ってきたそうなので)
島崎は思い切り北方系のっぺり顔をしてるので、ナスカにも親戚みたいな顔の人がいたのかしらん。

多くはないけど
金製品やアクセサリーもあったり、あと、綺麗な布地やふち飾りもありました。
小さい編み物の人形がずらーっと続いているふち飾りはマジでかわいく、すごくカラフル。
布地は綿とウール(アルパカなどの)らしいですが、本当に色がたくさんあっておどろきです。
絹が尊ばれることの一つに、さまざまな色に染色することが容易であることがあげられます。
でも、他の布地用の素材は、色によっては染めるのが難しいのだそうです。
(日本でも、庶民は木綿の藍染めがほとんどだし、現在の体験草木染では、絹素材しか使わないでしょう)
科学染料のない完全草木染時代に、絹以外の素材でここまでのカラフル布地を実現するとは。
それらの色を駆使して織り上げられた大きなマントはすばらしく、
そして下の方に残っていた修復の間に合わなかったモコモコの部分が、スタッフの苦労を雄弁に語ります。
これをここまで直したか・・・8ヶ月で・・・そりゃー根性だ・・・(グッ)

そしてナスカと言えば
地上絵
しかし、実際には地上絵を持ってくるわけにはいかないし、どうするのかなと思ってたのですが、
展示ルートの最後にある地上絵ゾーンでは、現地の砂と石を持ってきてどう見えるか展示したり、
足元のアクリルケースに砂や石を入れて地上絵を再現して、実際立てるようにしてみたり、
さまざまな工夫で地上絵を実感してもらおうとしていて、とても面白かったです。
地上絵の線の幅って狭いの。立ってみたけど、私の肩幅ほどもないくらいです。
地上2000メートルの飛行機から見た地上絵の詳細なジオラマは、ライトで昼夜まで再現したり、
パソコンを使ったバーチャルリアリティーのセスナ体験は、子供さんが群がってやってましたが、
大きいモニターで後ろから見ているだけでも十分面白かったです。
最後にあった3x10mの大スクリーンでの映像は、あまりにリアルすぎて見てて酔いそうでした(笑)

私はいつも博物館では音声ガイドを借りるのですが、ガイド音声の時間も長すぎずちょうど良かったし、
(解説が長すぎて動けず、渋滞の原因になって困るのもあるのでυ 仕方ないので、途中で切ったりして)
映像や簡単な説明の表示などが出て、とても使いやすかったです。
進歩してますねこういうのも。

たっぷり2時間楽しみまして、でもまた機会があったら2度でも3度でも見たいと思ってたところ、
調べてみたら、秋には静岡県立美物館に来るってさ。
はは・・・まあラッキーじゃん。また行こう!
お金がなくて図録も買い損ねたけど、今度は買おう!