「海のエジプト展」と「陸と海のシルクロード展」
日記09,9,23

横浜博物館めぐりしてきました。
まずはパシフィコ横浜の海のエジプト展へ。

展示品を見るだけではなく、海の底の気分が出て、とてもきれいでした。
最初にそこかいって、展示の仕方に凝ってる展示でしたからね。
でもそのために入場料が2300円にもなるんだとしたら、ちょっとどうだろう…
人気展示の最終日前日なんかに行った私が悪いのですが、
(一緒に行った母の都合で)掻き分ける気力も萎える人混みでι
小さな子供さんを連れてる方が結構いたのですが(ベビーカー押してる人も)、
あんな人混みに幼児を連れてくるのはかわいそうとしか言いようがありません。
背が低いから本当に人の体に潰されそうで、そりゃ泣くわなι
小さい子に本物を見せるのは大賛成ですが、それなら平日に見に来るとか
工夫してあげてほしいところです。
ああいう展示なら、空いてれば子供がとても楽しめるはずですから。

大きな石像から金製品までいろいろあって面白いのですが、
エジプトの文物の展示というより、海底発掘の方法の展示だったので、
トリノ・エジプト展のほうは行ってないけど、文物はあっちのほうが立派なのかも。
エジプトに詳しくないからかもしれませんが、ものを見た時の感情の動きを覚えていません。
感動が人ごみに押しつぶされた典型例かな…ι

お昼ごろに出てきて母のお友達と合流してお昼を食べ、
母たちは元町のチャーミングセールへ、そして私は今日の第二試合、
横浜ユーラシア文化館の「EurAsia 3000年 海と陸のシルクロード」展へ。
これが今月の19日から始まるのに気がついてこの日付になってしまったのです。
そしてどっちかというと、こちらを見に行きたかったのです。
入場料500円、展示会場の広さは4分の1以下(いや、もっと少ないか)、
そして見ている入場者の数もおそらく私を入れて10人以下(笑)
エジプトの方とは比べ物にならないほどの小さい展示でしたが、
もうサイコー! 行った甲斐あり!
主に8cくらいからの、輸送力の高い海のシルクロードが整備されていく様を
さまざまな文物から紹介する展示でした。
海のシルクロードなので、織物よりも陶磁器やガラス製品が中心です。

丸く形成したらとんぼ玉になる模様ガラスを板状につなげて形成したモザイクガラスや、
カットが施されたペルシャグラスなどさまざまなガラス器は何度見てもきれい。
(濃紺の吹きガラスの長細い瓶は、こないだ中近東文化センターの常設展示で
見かけないなと思ったら、こんなところへ出張か。お前の顔は覚えてるよ(笑))
一番驚いたのは北条氏の八王子城跡から発掘されたヴェネチア製のレースガラス。
あの、白い線の模様がレースのように入っているガラスの破片です。
16世紀にヴェネチアで開発されたレースガラスの器が、
1590年に落城した八王子城に既に入っていたとは。
落城時に割れたのか、炎にあたった跡がちょっと溶けているのも、
歴史の渦を感じさせて震えます。

液体を運ぶためにつぼの中まで釉薬でコーティングしてある西アジア製の大きな緑柚壺は、
沿岸都市各地で破片が発掘され、終点中国ではお墓の副葬品としても出ているとか。
作ったとこでは実用品でも、行った先では珍しがられたんですね。
なんだか千利休のルソン壺、現地じゃしょんべん壺みたい(笑)
でも大きくて模様もおしゃれで見ててきれいだから、つい大事にしちゃうのわかるなあ。

モンゴル時代のオロンスム遺跡(オングート族の拠点)から出たさまざまな陶磁器は、
みんな手のひらサイズの小さな破片なのですが、横に完品の写真が添えられているので
どんなもののどこの部分だったのかすぐ解るようになっていて、完品見たのと同じ感動です。
破片の方が厚さや胎土の色まで解るので、考古展示としては情報量が多くて面白いしね。
中国製の白磁にイスラームで盛んなラスター彩が施されている破片があって、
シルクロード展にふさわしい文化融合を感じさせました。
文様もだんだん変化していって、中国特徴の二匹の魚が向かい合う双魚紋が
だんだん可愛くなっていくのがもうかわいくてかわいくてあああぁあぁんっ///!
←こんな双魚紋見せられた日には
もう萌え死ぬとこでしたよ
どーしてくれんのよ!
ひーかわいい〜っ!!
(これ喩えでもなんでもないの、
ほんとにこうだったの!
ほお紅まであったの!
ガラスの前で転がりそうだったよ!
こんなお皿ほしい〜っ!!)
地図の展示では、混一彊理歴代国都之図の実物大プリントが見られたり、
明代、茅元儀の著した『武備志』に収められた、鄭和の航海に基づいた絵図が
ずっと地図なりにつなげて展示してあったりとまた華やか。
西洋の大航海時代にも触れていて、西洋の古地図も展示されています。
サンタ・マリア号のレプリカは、個人が趣味で作ってるものなんだろうなー。

最後はヘディンやスタインの紹介展示もありました。
彼らの関連書や横浜に来た時の新聞記事などもあり、
この展示らしい展示になっていました。

特別展にたっぷり楽しませていただいた後は、下のフロアの常設展へ。
こっちも特別公開で「口琴の広がり〜SoundAroundEurAsia」を開催中です。
口琴というのは金属や竹などで小さな舌を作り、人の口腔内で反響させて、
びょんびょんと音を奏でる楽器です。
私はこれが大好きなのでとても楽しみにしてたのですが…最初のケースでノックアウトです。

ひゃ〜っ! 萌え死ぬ〜っ!
やめてくれよしょっぱなからケースの前で転がりそうになっちゃっただろ!
まずいんだろうなとは思いつつ、思わずケータイで写真撮っちゃいました。
常設特別展の展示品は、図録に載らないもので…ι
口琴は手前の銀色のもので、木彫りはそれを納めるケースです。
か、かわいいっ 右奥のお魚のとか、ヤギのとか、ステキすぎ!
↓下の写真は口琴自体が鳥さん型…

ぎゃーとかにゃーとか言っちゃうだろ! にゃ〜〜っ!!

こっちは馬型→
左下のは竹製で、木の筒に入っているもの。
これらはほぼ現在のもので、考古学的な価値をもつものではないのですが、
なんかもーどうでもいいよそんなことは
(文化館なんだから! 考古博物館じゃないんだから!)
と言いたくなるほどかわいい〜っ!
ほかにもヨーロッパからアジアに至るまでの様々な国の口琴がたくさん展示してあって、
同じような音を奏でるものなのに形も材質も様々でおもしろいです。
木の切り株で大きなケースを作って、ごっそりセットになってたり。
いろんな大きさを揃えているところを見ると、大きさで音が違うのでしょうね。

普通の常設展示を行っているところを抜けて、奥の方にもう一つ特別展示をしている
スペースがあり、そっちは主にサハ共和国の口琴や弓矢や衣装などの民芸品など。
これもほぼ現代のものですが、形変わってないんだろうなーと思われるものばかり。
古くなくてもこういうものを目にする機会はあまりないので、十分興味深いです。

立ち去りがたいほど楽しかった展示を楽しんで、ミュージアムショップで図録買いました。
例の双魚紋の写真が載ってなかったのは残念だけど、ほかの双魚紋もかわいいからいいやv

博物館を出ると元町のセールにいた母たちと合流、
いくらか服を買い(かわいいベストゲット♪)、お茶を飲んで帰ってきました。

いやー、博物展。
入場料じゃないよね。
エジプト展は今日でもう終わりましたが、
(もっとすいてる日に行けば、こっちも楽しめたのかもしれませんが…)
シルクロードと口琴の展示は来年の一月までやっているので、
興味ある方はぜひ行ってみてください。
私もまた行こうかな!