中近東の星座と神話
サンデー、マガジンのDNA
日記  09、9、6

昨日はまた博物館巡りをやってきました。
会社の都合で平日に休めるアテができたので、混んでそうな横浜はそのときに回して
まずは武蔵境の中近東文化センター「中近東の星座と神話」展へ。
星座というとギリシャ系の話ばかりなので、
エジプトやシリアの星の神話や星座の話も聞けて興味深かったです。
いろんな文明圏で太陽は最高神になっているのに、バビロニアの神話では
吊るされてるだけのランプになっているんですね。
洪水を知らせる金星イシュタルの方がずっと重要なんだ…おもしろいです。

目玉のアストロラーベも立派な作りで見ごたえあったし、
(最後の机の上にご自由におさわり下さいで置いてあった
子供の紙工作用みたいなアストロラーベ…これ欲しい。
ミュ−ジアムショップに置いてなかったけど、どっかで販売してるのでしょうか。
欲しいよこれ!)
イル・ハン朝の天文書など貴重な資料もあって、
ちょうど始まった学芸員さんの解説にすっかり聞きいってしまいました。

こういった天文学の知識も、一度ギリシャなどで考え出されたのがイスラムに渡り、
研究発展したのちまた西洋に逆輸入されるというパターンだと
知識の伝播の話もまとめられていました。
地動説がイスラムに知られたのはいつなのか学芸員さんに聞いてみたのですが、
それはわからない、もしかしたら西洋の地動説がまた逆輸入された可能性もある、とのこと。
(すみません、面倒な質問をして。でも前から気になっていたので)
天動説地動説は面白いですね。
あれだけ天文台作ったり天体観測したりして観測技術が進んでいても、
天が動いているのか地が動いているのかは、人の頭の中で思いつかなければ
解らないことなのですね・・・
ロケットで宇宙に飛び出す前に気が付いただけ、すごいことなのかもしれません。
(さすがにそれは言い過ぎか)

そういえば、博物館の喫茶店ロータスカフェが開いてるとこも初めて見ました。
今まで何度行っても開いてたためしがなかったのですが(笑ι)、
ケーキもコーヒーも美味しかったですv


うっかり長居して2時になってしまいました。
あわててバス停に走り電車に飛び乗り、武蔵小杉は川崎市民ミュージアム
「サンデー・マガジンのDNA」展へ。
余談ですが、同じ武蔵でも境と小杉じゃ全然遠いと思ってたけど、
いろんな電車が乗り入れたりつながったりしてて、1時間足らずで着けてしまいました。
(バスは除く) いいねぇ東京は、どんどん便利になって…

とにかく原画を見たくて行ったのですが、編集さんのメモや企画書など、
まんがだけでなく雑誌を作るという全体的な作業が展示されていました。
透明の筒に矢印やチェーンをつないでどんなふうに系譜がつながるのか示すなどの
面白い展示もありましたが、どこから見ていけばいいのかちょっと解りにくかったかな。

でも結局一番見てたのは、やっぱりまんがの原稿でした。
生原稿の持ってる魔力はすさまじいですね。
ペンの線の張り具合やベタの墨汁の光っているのが、
なんかもー見えない放射線でも出してるみたいでゾクゾクしちゃいます!

何十人ものまんが原稿を見比べて、一番長くほえ〜…と見つめてしまったのが、
赤塚不二夫先生の天才バカボンの原稿でした。
そこにあったすべての漫画の線の中で、ベストオブ線キングでした。
いやマジで、びっくりしたホントに。
この世にこんな線が存在するのか・・・というほどの、完全にコントロールされた線。
どんな漫画家さんだって、どこか線が歪んだり震えたりしてるものなのですが、
赤塚先生の線は一分のスキもないのです。
狙った所へ同じ弧を描いて力も抜かずびゅんと引く。
満月のように引き絞った弓が、何度射っても同じ力で同じフォームで引かれ、
的のど真ん中、一本射た矢柄に何本でも矢が当たってるみたいな線。
この人違う時代に生まれて剣術とかやったら最強の剣士になったのでは…
と思っちゃうような線でした。
すごい…

それにしても、博物館に行ってチラシをもらってくると
またもー見に行きたいものが山盛りで!
でも一番行きたいのは新潟…「ハルビン金代文化展」
大阪大丸でやっていた「チンギス・ハーンとモンゴルの至宝展」が同時展開されています。
モンゴルの方は来年江戸東京博物館に来るそうなのですが、
金代文化展は新潟オンリーの模様…
いいなぁ、見たいなぁ。
でも新潟は遠い…

とりあえず来週横浜見に行って、夏の博物展シーズンはひと段落ですかね。
あー、でも9月来週あたりから上野でポタラ宮と古代ローマが!
楽しみだけど大変だー!