農業情報研究所
アフリカ南部:世界食糧計画、危機的な食糧不足に警告
農業情報研究所(WAPIC)
02.4.27
国連世界食糧計画(WFP)が、厳しい天候条件・経済的政治的不安定・エイズにより食糧危機に陥っている南部アフリカの260万の人口は、現在進行中のアセスメントが5月に完了すると倍増する可能性があると警告した。
WFPの東・南アフリカ地域局長によると、状況は次のように、極度に危機的である。
最悪の状況にあるマラウィ、ザンビア、ジンバブエに続き、レソト、モザンビーク、スワジランドも最悪の国のリストに加わる。
2月、マラウィ大統領は70%の国民が食糧を見つけるのに苦闘していると国家的災厄を宣言したが、この国は干ばつに続く洪水に見舞われた。人々はトウモロコシの青刈りを始め、数カ月内に刈り尽くすことになる。農民は盗みにより畑を破壊され、作物が盗まれる可能性があるために結婚式や葬式に出るのを恐れている。婦人たちは、草の茎を刈り、子供たちを養うパスタを作るために草の種を粉にするというかつてなかった手段に訴えている。子供たちは、学校を止めて両親が食糧を探すのを手伝っている。さらに、この国はコレラが発生、昨年11月以来1000人が死んでいる。
ザンビアでは、乾燥抵抗性ソルガムのすべてがなえ、飼料として食べることを許されている家畜でさえ、余りの苦さに食べるのを拒んでいる。すべての村は空になり、子供を背負い、50km歩いて国境の町に移住、ひき割りトウモロコシを買うために、持ち運んだポリ容器の水をトラック運転手や国境の役人に買うようにせがんでいる。さらに、マラウィとザンビアには食糧援助に依存する12万5000の避難民がいる。
ジンバブエとマラウィの食糧不足には多くの人為的要因がある。ジンバブエでは政府が穀物備蓄を独占しており、マラウィでは穀物備蓄は負債の利子支払いのために売られている。干ばつと将来の少雨予想に加え、ジンバブエでは政府の白人農地取得計画が農業の崩壊を招いている。さらに、食品価格も高騰している。砂糖、植物油、主食食料は消えつつある。
モザンビークは洪水に襲われ、今また干ばつに対処しなければならない。レソトでは、22日に首相が飢餓宣言を出した。小国で食糧の必要量は少ないが、国のレイアウトと山がちな地域のために分配が難しい。スワジランドは食糧自給が可能になったとWFPが引き上げたが、数千の人々が何らかの援助を必要としていることが予備的に示された。
エイズも状況を悪化させている。婦人は作物を育て、食べ物を見つけようとしてきたが、今や自分の病気を心配しなければならない。食べ物を見つけるために子供が取り仕切る家庭もある。罹患の増加のために、外に出、働くことのできる人の数が減っている。
WFPは6900万ドルが緊急に必要だとしているが、3月に出されたアッピール(Southern Africa food crisis deepens,3.26)により捻出されたのは300万ドルにすぎない。
WFP Warns of Critical Food Shortages,allAfrica.com,4.25
UN says Zimbabwe and neighbours face famine,FT
com,4.26