マダガスカル新大統領 韓国大宇の食料生産進出計画は棚上げ

農業情報研究所(WAPIC)

09.3.20

 食料生産のための” 新植民地主義的”海外進出の典型と見られていた韓国大宇のマダガスカル進出計画*が頓挫しそうである。

  *韓国大字のマダガスカル農地投資 ”明らかにネオ・コロニアルに見える”―FT紙,08.11.20;韓国大宇 日本畑地総面積の6割以上の食料生産農地をマダガスカルに確保,08.11.19

 マダガスカルでは、大統領退陣を求める激しいデモが1月以来続いていたが、3月17日にラベロマナナ大統領が辞任、野党指導者のラジョエリナ氏が軍から大統領としての権限を引き渡され、高裁もこれを追認した。フィナンシャル・タイムズ紙によると、この新大統領、あるいは大統領代行が18日、大宇の計画を棚上げにすると語ったという。

 彼は首都のアンタナナリボで、「我々は投資家と共同するアイデアに反対はしないが、土地を売りたいとか貸したいと思えば憲法を変えねばならない、国民と相談せねばならない。だからこの際、協定をキャンセルした」と語ったということだ。

 事情通によると、国民は、自分の事業の利益のためにこの計画を進めた前大統領に憤激しており、無償貸与という話が政治的混乱を加速した。

 この発表のすぐ前、大宇幹部は、マダガスカルの混乱した政情とは無関係にプロジェクトを推進すると言っていたそうである。

 新大統領、または大統領代行の地位も、必ずしも安定はしていない。今後どう動くか、未だ決まったわけではなさそうだ。ただ、大宇の一幹部は、インド洋の島の政治的リスクの高まりと、農産商品価格の下落には驚いたと言う。それでも、「政府が変わろうが変わるまいが、プロジェクトは継続したい」と言う。

 Madagascar scraps Daewoo farm deal,FT.com,3.18
 http://www.ft.com/cms/s/0/7e133310-13ba-11de-9e32-0000779fd2ac.html?nclick_check=1

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 Madagascar to review deals with foreign investors,Daily Nation(Kenya),3.20
 http://www.nation.co.ke/business/news/-/1006/548674/-/j13p62z/-/index.html
  By REUTERSPosted Friday, March 20 2009 at 13:12

  Daewoo finds African land is a risky business,Daily Nation(Kenya),3.20
  http://www.nation.co.ke/business/news/-/1006/548688/-/j13p52z/-/index.html
  By REUTERSPosted Friday, March 20 2009 at 14:25