ウガンダ帰還難民 トラクタでなく、牛が引っ張る犂をくれ

農業情報研究所(WAPIC)

09.10.26

  反政府軍(神の抵抗軍)の抵抗がなお続くウガンダ北部・グル県への定住が正式に決まった帰還難民たちが、農耕を楽にするためにトラクタを与えるという政府のアイデアに反対している。

 政府は和平復興計画の下、次期耕作シーズン、戦闘で荒廃した地域の家族に一家族あたり3エーカー(1エーカー=0.4ヘクタール)の耕作用地を与え、食料安全保障を促進、定住計画を強化しようとしている。

 ところが、帰還者たちは、村々で農地を開くのにトラクタを使うのは慣習的土地制度に馴染まないとして、代わりに、費用効率的で貧しい者にも維持が可能な牛が牽引する犂(すき)を供給するように要求している。

(from Acholi, Lango farmers get ox-ploughs,New Vision,09.9.17
http://www.newvision.co.ug/D/8/17/694946?highlight&q=ox)

 政府は、またも燃料を使わせる気か。成果が上がる前に壊れてしまうこともあるだろう。牛ならば、村人たちが代わる代わる使うこともできる。さらに、汚職が目的でないというなら、押し付けではなく、人々の必要性に応えるべきだと言っているということだ。

 IDPs reject tractors for farming,Monitor,10.26
 http://www.monitor.co.ug/artman/publish/regional-special/IDPs_reject_tractors_for_farming_93564.shtml
 

 ついでに。紛争、砂漠化、干ばつ、飢餓、アフリカの現実に心を痛めている方、あるいは写真(美術)に関心をお持ちの方で、まだご存じない方がいましたら 、お節介かもしれませんが。

 ブラジル出身の農学者・経済学者・写真家であるセバスチャン・サルガドのアフリカ写真展が先週土曜日(09年10月24日)から12月13日まで、東京都写真美術館(恵比寿)で開かれています。お見逃しなく。

 セバスチャン・サルガド アフリカ 生きとし生けるものの未来へ
 http://www.syabi.com/details/sarugado.html