農業情報研究所>農業・農村・食料>農業と環境>ニュース;2019年4月20日
化学肥料・農薬なしの農業でヨーロッパ人を養うことができる フランスの研究
食習慣の変化を条件に、農業は化学肥料・農薬に頼ることなく、5億3000万のヨーロッパの人々を養うことができる。4月16日に発表されたパリ政治学院付属シンクタンク・持続可能な発展及び国際関係研究所(Iddri)の研究がそう保証している。
農業は化学物質投入から解放され、温室効果ガス排出を減らし、生物多様性を保全しながら、ヨーロッパの人口を養うことができるだろうか。研究は、完全に“アグロエコロジー”的な生産が近い将来可能になることを証明したと主張する。
研究者が確立したシナリオは、ヨーロッパ人の食料の質を改善する、農業の気候への影響を減らす、環境を保護するという相矛盾するようにみえる要求を満たすことを狙う。このアグロエコロジーモデルは、合成化学肥料と農薬からの完全な解放に依拠する。他方で、それは養畜の粗放化、永年草地面積の増加、生垣(haie)、樹木、沼、石ころだらけの居住環境を意味する。
それは農業の収量低下―作目により10%から50%―と生産の35%の減少につながるが、並行して消費行動が変化すれば、5憶3000万人となる2050年の欧州連合(EU)の人口を養うことができるという。
しかし、そのためには、ヨーロッパ人は、菜食(穀物、野菜、果物)を増やし、肉食を減らす必要がある。これはフランスの国家健康食プログラムやWHOが推奨するところだ。集約的牛飼育は農業部門の温室効果ガス排出への最大の貢献者だ。
Nourrir l’Europe sans pesticides, un
objectif réaliste,Le Monde,19.4.19
関連
Meat needs to justify its place on our tables(Editorial),FT.com,19.4.19