タイ北部森林定住農民 バンコクに向け700kmを行進、人民版森林法を要求

農業情報研究所

05.12.12

  36日をかけてチェンマイから700kmを行進してきたタイ北部の森林居住農民が明日バンコクに到着、タクシン首相と議会にコミュニティー森林法の”人民”版を要求する。50人で出発した行進は途中で5000人に膨れ上がった。

 この法律は、2001年に5万人以上の人々が要求したもので、森林を生活基盤とする人々に森林の利用・管理・保護の権利を与えようととするものだ。しかし、議会両院が既に承認した法案は、森林居住者の権利を大きく制限するものとなっている。農民がとくに問題にしているのは、30度以上の傾斜地を生物多様性に富む”特別森林区域”に指定、この区域への定住を禁止するという条項だ。現在、このような区域に多くの人々が定住しており、これが通れば1万以上の農民 家族が家を追われることになるという。

 農民たちは、12月19日の下院会期が終わる前に、タクシン首相が法案の”人民版”を推進するように要求している。現政権は、輸出作物を大量生産するめのプランテーション農業や観光開発企業のために森林を犠牲にしてきたが、このような貧しい農民家族の生計の確保には無頓着だ。このような森林保護の二重基準に農民の怒りが頂点に達したようにみえる。

 Forest dwellers' long march to capital ends tomorrow,Bangkok Post,12.12
 http://www.bangkokpost.com/News/12Dec2005_news08.php

  Farmers bring forest bill grievance to city,The nation,12.12
  http://202.60.196.117/breaking/read.php?lang=en&newsid=100414