中国 主要食料作物とその加工品に輸出関税 国内食品価格抑制のため

農業情報研究所(WAPIC)

08.1.4

 中国財務部が昨年12月30日、小麦、トウモロコシ、米、大豆など主要農作物とその加工品に対する輸出関税を2008年いっぱい課税すると発表した。先月20日からのこれら84品目の輸出税還付停止(中国、物価上昇抑制のため、主要農産物等の輸出還付税停止へ,07.10.18)に続く輸出抑制措置で、これにより食品価格の高騰を抑制、10年来の消費者物価上昇がもたらしている貧困層の生活不安を和らげることに狙いがある。

 China to levy export tax on grain products,xinhua.net,12.30
 http://news.xinhuanet.com/english/2007-12/30/content_7340657.htm

 新華網の伝えるところによると、国際価格の急騰によって内外価格差が拡大、これら穀物等及びその加工品の輸出が急増している。2007年の最初の11ヵ月、トウモロコシと大豆の輸出量は前年同期よりもそれぞれ85.3%、23.8%増加、487万トン、40万トンに達した。米、小麦の輸出もそれぞれ5.8%、206.51%増加、113万トン、185万トンになった。

 他方、消費者物価指数(CPI)は昨年11月、2007年の政府目標3%を大きく上回り、11年ぶりとなる6.9%の上昇を記録した。そして、CPIの33%のウェートを占める食品価格は18.2%の上昇だった。これを抑えるための即効的手段としては、輸出抑制に よって国内供給を増やすしかないというのがアナリストの見方という。

 輸出税率は品目により5%から25%、57種の穀物等および製品に影響を及ぼす。小麦と小麦製品はそれぞれ20%と25%、トウモロコシ、米、大豆は5%、これらの加工品は10%の輸出関税を徴収する。

 とりわけ、トウモロコシと大豆については、日本に対する供給への影響も避けられないだろう(今年10月までの日本の中国からのトウモロコシ輸入は、飼料用を中心に60万トンほどになっている。大豆は12万トン弱)。