フィリピン、マレーシア巨大企業 フィリピンで穀物生産農地100万fを開発

農業情報研究所(WAPIC)

08.7.4

  フィリピン最大の食品・飲料メーカーであるサン・ミゲル社(San Miguel Corporation、SMC)とマレーシアのクオック・グループ(Kuok Group)が7月3日、フィリピン政府所有地で少なくとも100万fの農地を開発するために10億ドル(1070億円)を投資すると発表した。

 SMC, Kuok Group to launch US$1-B food security project,SMC.
 http://www.sanmiguel.com.ph/Articles.aspx?ID=1&a_id=682

 発表によると、このプロジェクトは”我々の将来を養う”と名付けられ、食料安全保障の確保のために、米やトウモロコシなどの穀物、砂糖やその他の基礎食料品の持続的で適切な供給を可能にするものという。

 フィリピン政府は、環境・自然資源省(DENR)、フィリピン国軍(AFP)、国家先住民委員会(NCIP)、国家電力会社(Napocor)を通じ、食料生産に適した政府所有地の確認、評価、審査を行う。両企業グループは、土地開発と耕作のための財務・技術上の専門知識を提供し、生産される食料のすべてを全当事者が取り決める条件で買い取ることを保証する。

 両社ともに、現在の食料危機は食料供給の不足というより、食料価格の高騰の結果であると認め、この価格高騰の影響を和らげることを目指すという。


 食料品価格高騰は、中国、産油国のみならず、世界中の巨大資本に格好の商機を生み出し始めた。バイオ燃料のみならず、食料のための巨大開発が農業・食料生産、環境や農村社会にどんな影響を及ぼすのか、改めて厳重な監視が必要になってきた。

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