ベトナムの米 夏-秋作で増収も、資材価格高騰で農民の稼ぎは減少の予想

農業情報研究所(WAPIC)

08.7.14

  ベトナムの夏-秋季作米は昨年に比べて増収となるが、資材価格や労働コストの高騰で農民の稼ぎは減少すると予想される。

 例えばメコンデルタ・アンザン省の一農民、4fから1f当たり5.5トンを収穫したが、1f当たり1000万ベトナムドル(625米ドル=6万7000円)ほどを得たにすぎない。農民は、資材価格が昨年に比べて50%ほど上昇したから、この夏-秋季作に1f当たり1300-1500万ベトナムドル(820-940米ドル)を投資せねばならなかった。

 南部植物保護センター所長によると、銀行ローンの利率も上がっており、1f当たり1000-1500ベトナムドルを稼いだとしても農民は苦しい。デルタの米価格は1キロ4000-4500ベトナムドル、省農業農村開発部長は、最近の米価高騰が農民を増産に駆り立て、高収量を得る結果につながった。省農民は7万5000fの夏-秋作の50%ほどの収穫を終えたが、1f当たり平均収量は5.5トン、昨季よりも0.5トン多いと言う。

  Mekong reaps good rice crop, but profits fall,Viet Nam News,7.12
  http://vietnamnews.vnagency.com.vn/showarticle.php?num=02AGR120708

 二期作の増産・豊作予想から、バンコク米輸出価格が急降下を始めた。しかし、米価が上がっても稼ぎが増えない、あるいは減るのでは、農民の増産意欲もいずれは削がれる。米価下落傾向が定着するかどうか、未だ予断を許さない。