タイ政府 米価支持のため、新米800万トンの買い上げを準備
08.9.11
タイ政府が今月末に終わる米価支持のための現在の米買い上げ計画に続き、11月に収穫が始まる08-09年の主要産米から800万トンを買い入れる準備している。この買い入れは、通常は11月1日まで始まらないが、今年は10月15日から始める。首都における抗議で苦境に立つサマック首相が農村からの支持を勝ち取る狙いからだという。
農民には、水分5%の一般米でトン当たり14,000バーツ(約420米ドル)、タイホムマリ米(ジャスミン米)で16,000バーツ、糯米で約9,000バーツの保証価格が支払われる。ジャスミン米の保証価格は、主として国際米価の下落のために、以前に提案された19,000バーツから大きく引き下げられた。
タイ米輸出協会のチューキアット会長によると、ジャスミン米の保証価格引き下げからすると、一般米の保証価格は高すぎる。ジャスミン米は年1回、限られた地域でしか生産されないのだから、一般米との差は3,000バーツから4,000バーツなければならない、ジャスミン米を生産する北東部農民には不公平だと言う。
しかし、タイ農民協会のプラシット会長は、提案された価格に満足している、農民所得の増加が可能になると言う。
この買い入れで、現在210万トンの政府保管米は360万トン(精米ベース)に増えるということだ。
New rice buys could hit 8 million tonnes,Bangkok
Post,9.9
http://www.bangkokpost.com/090908_Business/09Sep2008_biz41.php
買い入れ費用と360万トンもの保管費用をどう調達するのかは知らない。しかし、政権維持のために避けることのできない選択なのだろう。需給ではない。世界第一の米輸出国の政情が国際米価の行方を左右することになるのだろうか。
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参考:タイ国内米価の推移