マレーシア投資家 ミンダナオでオイルパームプランテーション用地10万fを物色 

  農業情報研究所(WAPIC)

09.6.8 

  フィリピン・ヤップ農相が案内するマレーシア・ビジネス団体が先週、オイルパームプランテーション適地求めてミンダナオ・コンポステラ・バレー州を視察した。1994年のマレーシアの研究は、ミンダナオには、一部はココナッツプランテーションに使われている、少なくとも30万fのオイルパーム適地があると報告した。その後、中部ミンダナオでの大規模なオイルパームプランテーション開発プロジェクトが構想されたが、アジア金融危機とエストラーダ前大統領のモロ民族解放戦線攻撃開始でキャンセルされた。ミンダナオのオイルパーム植栽地は、なお1万8000fにとどまっている。

 マレーシア投資家は、コンポステラ・バレー州(46万6700f)だけでも10万fのオイルパームプランテーションを考えているということである。

 Malaysian oil palm investors survey Mindanao,Business World,6.8
 http://www.bworldonline.com/BW060809/content.php?id=053

 熱帯雨林と大量の炭素を貯える泥炭湿地のオイルパームプランテーションへの転換に対する国際的批判の大合唱で拡大に行き詰ったマレーシア・パームオイル産業、世界中に新天地を求め始めた。5月始めには、エチオピア政府から3万1000f、リベリア政府から22万fのオイルパームプランテーション開発用地を獲得した。

 Malaysian investor launches 3.7 b birr palm oil tree plantation,Ethiopian New Agency,5.9
  http://www.ena.gov.et/EnglishNews/2009/May/09May09/86999.htm
  US$800M Rubber, Palm Oil Company Comes To Liberia To Provide Over 20,000 Jobs,New Publisher,5.1
  http://www.theinformer-lr.com/oneadmin/newspublish/samplenewspublish.php?news_id=4154&start=0&category_id=0&parent_id=0&arcyear=2009&arcmonth=5

  フィリピンも、アフリカ諸国も、喉下過ぎた食料危機などすっかり忘れ、大規模プランテーションからの輸出の拡大に頼る開発戦略に逆戻りしてしまったようだ。フィリピンは、食料のアウトソーシングを求める湾岸諸国の投資呼び込みにも懸命だ。やはり5月初め、ヤップ農相は、アロヨ大統領の招請で訪比したサウジアラビア代表団に、ミンダナオへの大規模農業投資を勧誘した。もっとも、農地改革の進展で投資を回収できなくなるのではないかと、サウジ側が躊躇したという話もある。この開発戦略も行き詰る恐れがある。

 Arroyo visit boosts ties,Arab News,2.4
 http://www.arabnews.com/?page=1&section=0&article=118868&d=4&m=2&y=2009

 Economic zone for Arab investors eyed,Business World,5.8
 http://www.bworldonline.com/BW050809/content.php?id=055