韓国農民 米価下落に抗議して自らの水田を破壊 政府買入れを超える措置を要求

農業情報研究所(WAPIC)

09.9.30

 米価下落に怒った韓国農民が、自らの水田を破壊し始めた。29日、全羅北道のおよそ2000の農民が役所の前に集結して米価下落に抗議した。翌日には、全羅南道の農民グループが地域農民協会の前に座り込んだ。グループのリーダーは6日間のハンガーストライキに入った。この日は主要米生産地域の一つをなす慶尚北道の農民グループも自身の水田を破壊、抗議行動に合流した。

 農民は、肥料と石油の価格が上昇する一方、米価は下がり、作れば作るほど借金が膨らむ、政府はこんなことも知らないのかと、毎年の政府買入れを超える抜本的措置を要求している。

 農業省によれば、韓国国民の米消費は、1990年代初めには一人あたり120キロほどだったが、去年は初めて80キロを割り込むほどに落ちている。この消費減少で、国内米価は、この20年、低下を続けてきた。

 全羅北道の農民グループ幹部は、2008年には政府が10万トンを買い入れたがとき既に遅かった、政府の買入れ計画には限界があり、長期的戦略が必要だと言う。

 李明博大統領は30日の記者会見で、今年の過剰米の買入れを計画している、国内米消費を増加させる方法も探すと語った。しかし、農民グループは、提案された解決策は過去に失敗が証明つきのもので何の役にも立たない、米消費を増やす措置を一歩前進させ、北朝鮮に対する米援助の再開などの刺激措置を準備せよと言っている。

 前政府は1998年から2008年まで、ほぼ毎年、30万トンから50万トンの米を北朝鮮に送ってきた。しかし、李大統領が就任した08年2月、この援助が停止している。

 Angry rice farmers raze paddies to protest falling prices,Yonhap,9.30
 http://english.yonhapnews.co.kr/national/2009/09/30/90/0301000000AEN20090930003000315F.HTML"