フィリピン 台風で2010年輸入米の早期確保へ 来年は国際米価急騰が再来?

農業情報研究所(WAPIC)

09.10.13

  大型台風で稲が大きな被害を受けたフィリピンが、通常は12月から始める米の輸入入札を今月末から始める。最初の入札による購入量は25万トン、長粒種25%破砕米をトン当たり530.50ドル(先週のバンコク国際価格は535ドル)で購入する予定だ。食糧庁(NFA)は、来年早期に必要量を確保できるかどうか分からないために、2010年輸入米の購入を急ぐことにしたという。

 数百人の命を奪ったKetsana(16号)とParma(17号)の二つの大型台風で、フィリピンは36万5884ヘクタールの水田が罹災、米55万9629万トンを失った(農業省)。現在の米在庫は227万8000トン、62日間の消費量に相当する。今年の今までの輸入量は177万5000トンで、フィリピンの輸入が国際価格をトン350‐400ドルから1000ドル以上に吊り上げた昨年の230万トンを大きく下回ることになるだろう。しかし、来年は昨年の悪夢の再来となるかもしれない。今年は、中国等一部の国を除けば、インド、ベトナム等アジア主要米生産国の米生産も、干ばつや洪水で大幅減産が予想されている。

 Typhoons force gov’t to begin 2010 rice imports this month,Business World,10.13
 http://www.bworldonline.com/BW101309/content.php?id=051