サラワク先住民 オイルパーム・プランテーション造成を阻止 ここは先祖伝来の我らの土地

農業情報研究所(WAPIC)

09.11.9

  マレーシア・中部サラワクの先住民・カニャッ族が、造成が計画されているオイルパーム・プランテーションに向かう道路の建設を進めるパームオイル企業の労働者を撤退に追い込んだ。

 彼らは過去数日、労働者が道路開設工事を中止するように訴えてきた。しかし、労働者たちは先週木曜日(5日)以来、ブルドーザーとエクスカベーターでカニャッ族の農地を掘り起こしてきた。土曜日、カニャッ族がとうとう堪忍袋の緒切らし、労働者との直接対決の挙に出た。身の危険を感じた労働者は、地域から引き上げたということだ。

 500人のカニャッ族は、開拓される地域は、慣習的権利に基づく先祖伝来の彼らの土地だと主張している。しかし、企業は、州による開拓許可を受けていると主張する。企業が永久的に撤退するかどうかは未だはっきりしないという。

 Kenyahs fend off oil-palm company bulldozing land...for now,The Star,11.9
 http://thestar.com.my/news/story.asp?file=/2009/11/9/nation/20091109153808&sec=nation

 多国籍企業も含む企業によるマレーシア、インドネシアのオイルパーム・プランテーションは、ほとんどすべて、熱帯雨林に住む先住民の慣習的な土地への権利を強奪する形で作られてきたものだ。このような形のオイルパーム・プランテーション造成が、アフリカや南米を中心に、世界中に広がり始めている。先住民の抵抗で、これを食い止めることができるのだろうか。パームオイル需要が増え続けるかぎり、彼らの抵抗も続かないだろう。世界中の消費者の自省と行動が必要と思われる。