中国”ハイブリッド米の父” ハイブリッド大豆に挑戦 外国GM大豆との競争に打ち勝つため

農業情報研究所(WAPIC)

10.6.21

 通常品種に比べて3倍もの収量が上がるという中国の”ハイブリッド米の父”と言われる袁隆平氏が、今度はハイブリッド大豆の開発に専念している。このハイブリッド大豆はヘクタールあたり5.25〜6トンの高収量が期待できるという。現在の中国の平均収量は1.7トンほどで、世界平均の1.6トンは辛うじて上回るものの、GM品種が主体をなすブラジル、アルゼンチンの2.8トン、米国の2.7トンには遠く及ばない(2008年、FAO統計)。新たな品種では、この世界最高レベルの収量の2倍ほどが期待できるということだ。

 穀物は国内生産で自給すると政府が豪語する中国も、この非効率な生産のために、肉食・畜産の拡大で急増する大豆需要を国内生産で賄うことは到底できず、国内総供給量(4530万トン)の73%(3320万トン)を輸入に頼っている。その総輸入量は世界の総輸入量の45%にもなる(2007年、FAO統計)。

 袁氏の狙いは、こうした輸入頼みからの脱却にある。「伝統的大豆がGM大豆に打ち勝つ方法はない」と言う。

 'Father of Hybrid Rice' working on soybeans,China Daily,6.21
 http://www.chinadaily.com.cn/china/2010-06/21/content_9997976.htm