インド農民 ”貧者の穀物”の復活を推進

農業情報研究所(WAPIC)

10.6.22

 インド・カルナカータの農民だったBanakarが、個人としては初めて、”ragi”(シコクビエ)等伝統的作物の種子バンクを立ち上げた。ただ、これは、このインド南部の州の農業部門でゆっくりと進行する雑穀復活の動きのほん一端を示すにすぎない。

 この動きは、一部は、乾燥したカルナカータの大地に伝統的な雑穀の栽培を復活させるために活動する組織・ Sahaja Samrudha (Bountiful Nature)の努力がもたらしたものである。Banakarも、農民のネットワークを維持し、伝統的種子品種の農場での保存を奨励するこのグループから種子を調達する。 Sahaja Samrudhaの創設者であるKrishna Prasadは、運動の焦点はこれらの有用な作物の消滅を防ぐことにあり、それは農業システムのなかにそれらを再導入することによってのみ達成できるという。

 これら伝統的作物は、ミネラル、アミノ酸、繊維に豊み、水要求が少ないために地域の半乾燥気候に適しているが、”貧乏人の食べ物”との烙印を押され、サトウキビ、ジャガイモ、ヒマワリ、ワタやその他の穀物のように儲からないために 、過去30年の間に地域の農業システムから姿を消してきた。

 INDIA:Farmers Push Comeback of ‘Cereal of the Poor,IPS,6.17
 http://www.ipsnews.net/news.asp?idnews=51868