韓国 口蹄疫予防規定違反に損害賠償 「畜産業免許制」と「取引商人申告制」も導入する法改正へ

農業情報研究所(WAPIC)

10.6.24

  韓国政府は今後、畜産農場経営者らが政府の家畜伝染病予防規定を守らず伝染病を誘発した場合、被害規模に応じ損害賠償を求めるか、過料を科す。今年の口蹄(こうてい)疫発生を受け、18日までにこうした方向で「家畜伝染病予防法」などを改正する方針を固めた。損害賠償だけでなく、家畜殺処分・埋却補償金の一部削減・無支給、畜舎の閉鎖命令など制裁も与える方針だ。

 さらに、畜産農家・家畜売買業者の乱立を防ぐため、「畜産業免許制」と「取引商人申告制」を導入し、畜産業の登録対象も拡大することにしたという。

 口蹄疫予防規定に違反すれば損害賠償、法改正へ 聯合ニュース 2010年6月18日
 http://japanese.yonhapnews.co.kr/society/2010/06/18/0800000000AJP20100618003000882.HTML

 なお、日本農業新聞(6月24日)によると、山田正彦農相は23日、口蹄疫問題で訪問した宮崎県庁で記者会見し、口蹄疫のまん延防止に向け「新たな緊急口蹄疫マニュアルを一両日中に各都道府県に対して送付したい」と述べた。「緊急口蹄疫マニュアル」には疑似患畜の確認から24時間以内の埋却・殺処分、口蹄疫の写真判定の導入、農家からの通報後2時間以内の立ち入り検査の実施などを盛り込む方向だという。

 http://www.nougyou-shimbun.ne.jp//modules/bulletin/article.php?storyid=4008

 マニュアルの送付で片付く問題なのだろうか。家畜を処分せねばならない者が一生負うであろう「トラウマ」(精神的外傷)にどう配慮するのだろうか。今回の宮崎の例の徹底的な反省の上に立ち、 こんなことが二度と起きないように法改正を含めた口蹄疫対策の抜本的改善を考えるべきときではないのだろうか。しかし、そんなことはそっちのけ、支持率が高いうちにと選挙に突入してしまった。中国、日本、モンゴルなど北東アジアでO、A、アジア1のような新型ウィルスが蔓延しているからこの秋にも国に侵入する恐れがあると韓国が警戒を強めている、まさにそのときにである。

 Foot and mouth feared in autumn,Joongang Daily,6.24
  http://joongangdaily.joins.com/article/view.asp?aid=2922255