農業情報研究所農業・農村・食料アジア・太平洋地域ニュース:2014年3月20日

韓国 都市から農村に移住する家庭が記録的増加 農業に好機当来か

 昨年、韓国の都市地域から農村地域に移住した世帯の数が記録的に増えた。農業・食料・農村省によると、その数は前年を20%上回り、32,424になったという。2001年にはたったの880だったその数は2011年には10、503と10倍以上に増えていたが、それから2年の間に、さらに3倍にも増えたわけだ。まさに記録的増加である。

 なぜこんなことが起きたのか。これを伝える記事はそれには触れていない。ただ、農業を新たな職業とすると申告した移住世帯は2.6%減少、10,923にとどまった。残りの21,501世帯は、単に引退して田舎に移住しただけのようだ。あるいは、かつて都市に出た大量の若者たちが引退年齢に達したということかもしれない。しかし、移住世帯には世帯主が40歳以下のものも12,318含まれる。未だ農業活動に就いていないだけかもしれない。農業にとって好機当来とも言える。

 いずれにせよ同省は、農村地域への定住を促すために、農業部門に新たな就業機会を創りだすと言っているとのことである。

 Urban-rural migration reaches record high in 2013 ,Yonhap,14.3.20

 日本にも同様な好機が訪れている。農村回帰は世界的な動きなのだろうか。ただし、日本の現政府は、「企業」の農業参入の追求に余念がない。若者や団塊世代の折角の農村・農業回帰の動きの芽をつぶしかねない。