農業情報研究所農業・農村・食料アジア・太平洋地域ニュース:2014415

サイクロンでオーストラリア砂糖産業が壊滅的被害 日本への輸出も途絶える恐れ

  411日、オーストラリア・クイーンズランド州沿岸を襲った猛烈な雨風を伴う熱帯サイクロン(Ita)が同州のサトウキビ畑のおよそ90%を破壊した。農家と地域コミュニティーの立ち直りには何年もかかりそうだという。

  Cyclone Ita's damage to sugar cane to cost millions,ABC,14.4.15

 オーストラリアはわが国が輸入する粗糖のおよそ4分の1を供給する。そのオーストラリア産砂糖の95%がクイーンズランド州で生産される。となると、わが国の輸入量の4分の1にもなる粗糖の輸入が途絶えることになるだろう。

 日豪EPA交渉では砂糖の輸入関税は当面据え置き、将来見直すという大筋合意がなったという。しかし、これでは当分見直しどころではなさそうだ。日本は供給不足と輸入価格高騰に悩まされることになりそうだ。消費者も砂糖と砂糖を原材料とする食品の値上がりを覚悟せねばならない。それにしても消費税増税の折、なんということだろう。