中国 トウモロコシ価格形成を市場に委ねる 補助金政策改め構造改革

農業情報研究所農業・農村・食料アジア・太平洋地域中国穀物価格政策 2016年3月29日

   中国国家発展改革委員会が28日、トウモロコシの価格形成を市場に委ねる方針を明らかにした。「トウモロコシ価格は完全に市場により決定されることになる」、農民はなお補助金を受け取ことができるが、従来のように価格に上乗せする形ではなく、北東部の主要トウモロコシ生産地域の生産者に直接支給されるいう。

 近年の中国ではトウモロコシの過剰生産能力が際立っている。農家保護のための多大な価格補助のために、生産性が劣る地域でのトウモロコシ生産が減らず、増えてさえいるからである。昨年のトウモロコシ生産量は消費を490億㎏も上回る2246億㎏に達した。改革は補助金の効率を高め、農業の構造問題への取り組みを助ける、低生産性地域は需要に応じた他の作物に転換することなろういう。

 Corn price to be set by market,China Daily,16.3.29

 日本も中国も農業構造改革流行りである。ただし、経済全般が低迷、安価な外国産品の輸入も増えるなか、構造改革の成否は不透明だ。農民の失業が増えるだけかもしれない。需要減退でコメ余りの日本は70万トンのコメを輸入、TPPでさらに増大するだろう。中国は2015年、国内生産の増大にお構いなく、およそ550万トンのトウモロコシに加え、3000万トンのトウモロコシ代替品(大麦、ソルガム、エタノール醸造穀物滓など)を輸入している(USDAChina must lower corn prices to clear stockpile: official,China Daily,16.1.9)。