カンボジア 米価暴落抗議で農民が国道封鎖 何処も同じ米余りと米価低迷

 

農業情報研究所農業・農村・食料アジア・太平洋地域ニュース 2016年9月19日

 

 今年の余りの低米価に怒ったカンボジア・バッタンバン州の農民が18日、米袋を積んだ荷車で国道を封鎖する抗議行動に立ち上がった。抗議行動に参加した一農民は、「米の刈り取りは終わったが、市場がない」と言う。

 

 

 

 今年の米の出来はまずまずだが、業者の買取価格では肥料・農薬・農機を調達するために借りた金も返せない。 業者が提示する価格は、去年はトン1万1000バーツ(315ドル)だったが、今年はたったの6000バーツ(172ドル)だ。安価なタイ米の輸入が急増したからだという者もいる。ただし、業界に詳しい専門家は、この2年、地域全体の米輸出が沈滞、カンボジア、ミャンマー、ベトナムからの輸出に影響を与えていると見る。

 

 Battambang farmers protest plummeting rice prices,Phnom Penh Post,16.9.19

 

 関連ニュース:PM weighs in on rice lending,Phnom Penh Post,16.9.19

 

 タイの米輸出量も、2014年1097万トン、15年980万トン、16年1-7月544万トン(年換算で930万トン)と低迷している(Thai Rice Exporter AssosiationExport Quantity 2014-2016 ( by destinations ))。昨年5万トンを超えた日本の米輸出も、今年は7月まで5800トン(年換算1万トン弱)にとどまっている。米需要減退に伴うここ2-3年の米価低迷は何処も同じ、下図に見られる通りだ(米輸出価格 fob データ出所:FAO)。わが国「攻めの農業」も前途多難だ。