農業情報研究所農業・農村・食料アジア・太平洋地域ニュース 2016年12月1日

韓国 米国産牛肉輸入が急増 汚職防止法でギフト用需要が高価な韓牛から米国牛にシフト

 韓国の米国産牛肉輸入が急増している。韓牛は伝統的なホリデーシーズンの贈り物としての人気が高い。しかし、汚職防止法の施工で高価な韓牛肉を贈るのを控えるようになった。比較的安価だが高級感のある米国産牛肉がギフト用に使われるようになった。それが米国産牛肉の輸入急増の一因だという。

  今年1-10月の牛肉輸入量は前年同期に比べて28.4%増加した。中でも米国産牛肉は47.6%も増加した。オーストラリア産牛肉の輸入は14.9%増えただけで、その市場シェアは昨年の56.8%から50.8%に下がった。逆に米国産のシェアは35.7%から41.1%に増えた。

 2014年に48.1%だった韓国の牛肉自給率も、2015年に46.2%に落ちている。汚職防止法のお蔭で、自給率は今後さらに低下すると予想されるそうである。 

 S. Korea's imports of U.S. beef soar 48 pct this year,Yonhap,16.12.9

 さすが米国、商売がうまい。米国牛が”High Quality”の評判をとるようでは、高価な和牛(wagyu)ではとても太刀打ちできそうにない。