フランスで初めて、除草剤・グリホサート耐性雑草発見

農業情報研究所(WAPIC)

07.8.24

  フランス南部のブドウ園で除草剤・グリホサート耐性の雑草が発見された。フランスで初めてのグリホサート耐性雑草の発見で、耐性が見つかった雑草はボウムギ(ivraie raide =Lolium rigidum)という。近年、この薬剤の効き目の衰えが報告されるようになり、国立農学研究所(INRA)が研究調査を進めてきたが、INRAのディジョン支所が7月末にボウムギにグリホサート耐性が発達していることを確認した。

 Glyphosate - Un premier cas de résistance détecté dans un vignoble en France,viti-net.fr,8.23
  http://www.viti-net.fr/Outils/Fiches/FichesDetail.asp?id=41890

 グリホサートはモンサント社が除草剤耐性のラウンドアップ・レディーGM作物とセットで販売してきた除草剤で、GM作物の普及とともに急速に使用量を増やしてきた。従って、米国、南米などGM作物が大々的に導入されているところでは、グリホサート耐性雑草は以前から発見されている。米国では綿花産業の破滅につながるのではないかとさえ言われている(米国綿花地帯に広がる最強のグリホサート耐性雑草 綿花産業に破局の恐れ,06.12.19)。

 しかし、グリサートは毒性と環境残留性が比較的弱く、多種の雑草に効くことから、GM作物だけでなく、穀物をはじめ、世界中の多種の作物が専らグリホサートに依存するようになっている。フランスでの耐性雑草の発生も不思議ではない。

 ボウムギといえば、日本の輸入小麦にも混入しており、除草剤耐性を持ったそれが畑作地帯に侵入すれば生産性が大きく削がれることになろうと恐れられている。遠いフランスの話と見過ごすことはできない。