米国 最近溶けた北極海極北での漁業を禁止 漁業における初めての温暖化対応

農業情報研究所(WAPIC)

09.2.7

 米国北太平洋漁業管理委員会(North Pacific Fishery Management Council,)が2月5日、北極海の広大な面積での商業的漁業の停止を決めた。北極の温暖化で通行可能になったベーリング海峡の15万平方海里を保護するための先制措置だ。

 これは産業も保護グループも支持、異例の全会一致の決定となった。米国が気候変動の結果を受けて漁業閉鎖に動くのは初めてのことだからだという。

 ただし、米国人が食べるシーフードの大きな部分を提供しているベーリング海のいかなる既存魚場も禁止対象とはならない。これは、最近氷床が溶けて通行できるようになったばかりの北極海極北の商業的漁業を止めさせる措置だ。禁止は、地域の一層厳格な科学的研究が完了するまで続け、先住民が生きていくための漁業の継続は許される。

 この決定は、新たな領土が開かれるに応じて他の国が過剰漁獲に走るのを防ぐ国際的禁止に向けての必要な第一歩とも位置づけられるという。

 Arctic Sea Partly Closed to Fishing,The New York Times,2.6
 http://www.nytimes.com/2009/02/06/science/earth/06arctic.html?ref=us