英国食品基準庁 有機牛乳はオメガ3脂肪酸を多く含むが、健康便益は小さい
06.9.20
英国食品基準庁(FSA)が、有機牛乳と非有機牛乳の栄養成分の違いに関するグラスゴー大学の研究に関して、前者は後者よりもオメガ3脂肪酸を多量に含むが、その健康便益は限られていると発表した。
Nutritional differences between organic and non-organic
milk,06.9.19
http://www.food.gov.uk/news/newsarchive/2006/sep/organicmilkresponse
FSAは、研究は有機牛乳が非有機牛乳よりも短鎖オメガ3脂肪酸を多量に含み得ることを示したが、科学的証拠は、これら脂肪酸の健康便益は魚油に含まれる長鎖オメガ脂肪酸(a-リノレン酸・ALA、エイコサペンタエン酸・EPA、ドコサヘキサエン酸・DHA)に比べて限られていることを示唆していると結論した。
短鎖オメガ3脂肪酸は心臓血管を保護することが知られている長鎖オメガ3脂肪酸に転換し得るとはいえ、転換率は非常に限られているように見える。従って、健全な食事における有機牛乳消費量では、意味ある健康便益を提供するに十分な量の長鎖オメガ3脂肪酸を提供しないだろうという。
この結論に従い、FSAは少なくとも週に2回は魚(1回は油の多い魚)を食べきだという勧告を続けると言う。
なお、米国における多くの研究は、草だけで飼育された牛の肉や乳は、トウモロコシを主体とする穀物で飼育された牛(米国では、有機といえどもこれが普通)の肉や乳よりも、脂肪全体が少ないだけでなく、多量の長鎖オメガ3脂肪酸(ALA、EPA、DHA)や共役リノール酸(CLA)を含むことを明らかにしている。
Kate Clancy,Greener Pastures:How grass-fed beef and milk contribute to
healthy eating,Union of Concerned Scientists,2006.3
http://www.ucsusa.org/assets/documents/food_and_environment/greener-pastures.pdf
この報告によると、EPA/DHAが心臓病のリスクを減らすという強力な証拠がある。ALAも、致死的で急性の心臓発作のリスクを減らすように見えるが、その他の便益は確認されていない。CLAに関する動物実験では心臓病・ガン・免疫システムへの多くの好影響が示されているが、人間についての研究では未だ再現されていない。
[フィードロット穀物肥育の牛肉でなければ満足しない人々に吉野家の牛丼を食べるなとは言わないが、せめて自分の健康には気を配り、国の医療保険制度に迷惑をかけないように心がけるべきだと「勧告」したい]