NZで公正貿易食品ブーム が、労働者の低賃金・酷使は変わらないと英国の報告
06.10.23
ニュージーランドで”公正貿易”食品ブームが起きている。ニュージーランドでは、現在、途上国の貧しい生産者に公正なシェアを保証する”Fair Trade”ブランド表示を許された企業が22存在する。主としてコーヒー、茶、ココアからなる公正貿易品の小売販売額は、去年400%増加して、390万ドルに達した。
9歳以上のニュージーランド人の33%が、少なくとも6ヵ月に1回は、社会的・環境的に悪影響を与えていると信じられる企業の製品の購入を避けている。”公正貿易”という言葉を正確に定義した人々の比率は、24%から昨年は37%に増えた。
オーストラリア・ニュージーランド公正貿易協会のステフェン・ナップ理事長は、人々は、生産者に報い、貧しい社会の貧困を救済する何かを買うという考えに好感を抱いていると言う。
彼によると、150もの様々な製品がある英国とは異なり、ニュージーランドで利用できる製品の数は限られている。しかし、砂糖、綿花、バニラのようなスパイス、ビスケット、シリアルバー、ジュース、乾燥果実、ココナッツ製品などを公正貿易製品を持ち込もうとしている。今後2年のうちには、多様な公正貿易商品が大きく広がるだろうと言う。
Fair-trade food rockets in popularity,The New
Zealand Herald,10.23
http://www.nzherald.co.nz/section/story.cfm?c_id=1&objectid=10407168
ただ、このような動きを喜んでばかりいるわけにも行かない。
イギリスでは、食品ショッピングの”倫理革命”が進行している。今年、消費者は、放し飼い・公正貿易・有機製品に20億ポンドを支出した。倫理食品市場は過去4年で62%成長、なお拡大しつつある。かつて消費者を引き付けるために価格戦争に狂奔したスーパーも、増加する需要に応えるために、これら製品の品揃えを拡大しているという。
Ethical foods boom tops £2bn a year and keeps growing,Independent,10.13
しかし、増加する需要を満たすためにスーパーが有機基準緩和圧力を強め(Organic boom threatens green crisis,Observer,10.1)、今やウォルマートまでもが倫理基準の疑わしい有機食品を買い集めているように(A Milk War Over More Than Price,The New York Times,9.16)、この世界では、ブームに便乗して荒稼ぎしようとする悪徳業者が必ず現れ、増長する。
イギリスの”倫理貿易ニシアティブ”(ETI)の最近の報告は、英国のトップスーパーが調印した倫理貿易協定が、それらが販売する大量の”倫理商品”(公正貿易商品や有機食品など)を生産する労働者の搾取を止めるのに必ずしも成功していないことを明らかにした。
倫理貿易がこれら企業への商品供給者に雇われるイギリスや外国の労働者とその家族の生活を向上させたことは間違いないが、多くの基本的問題がなお残っている。特に移住労働者や臨時労働者は、倫理貿易の利益にほとんど浴していない。多くの労働者は低所得のままで、労働組合ももたない。
ETIとの協定に調印した英国企業は40近く、合せて年に1200億ポンドを売り上げ、世界中に2万5000の供給者を持つ。調査によると、一部の労働条件は改善されたが、生活費を確保するための賃金を保証するという条項に関しては、ほとんど何も影響が出ていない。調査した25のサイトのうち、国の最低賃金を支払うことを奨励していたのは9サイトだけだった。
報告は、英国ブランドと小売業者に対し、「供給者に支払う価格が生活費に基づく基礎賃金をカバーするのに十分であるように保証する責任を取る」べきだと勧告する。
また、調査された5つの国ー英国、コスタリカ、インド、南アフリカ、べトナムーでは、労働者が労働組合に加盟することを許されていなかった。労働組合員が増加しているサイトは一つもなかった。労働者は雇用者の意のままに酷使されている。
報告は、値下げ品需要の労働者のコストをめぐる論争を活発化させるべきときだと言う。
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‘Fair’
coffee workers paid below minimum wage,FT.com,9.8