OECD/FAO2008-2017年農業見通し 食料価格は予測期間を通して高止まり

農業情報研究所(WAPIC)

08.5.23

  OECDとFAOの2008-2017年農業アウトルックによると、食料価格は2017年までの全予測期間(10年)の間、バイオ燃料産業と中国など途上国からの需要の増大のために、ぼぼ現在のレベルに高止まりする。このアウトルックは来週発表されるが、フィナンシャル・タイムズ紙がそのサマリーを入手した。

 それによると、2005-07年の平均価格と比べた17年の実質価格(インフレ率で調整)は、小麦で2%、米で1%、トウモロコシで15%、油料種子(大豆、菜種等)で33%ほど高くなると予想される。予測は、現在の記録的レベルよりは下がるかもしれないが、食料インフレは、とくに貧しい途上国にとって長期的問題になるだろうことを示唆しているという。

 以前にも、70年代の食料危機、96年のトウモロコシ危機のときのような価格高騰はあったが、すぐにもとのレベルに戻った。しかし、報告は、多くの農産物の供給はタイトであり続けるから、現在の低レベルの在庫が早急に回復することはなさそうで、「来るべき数シーズン、さらなる価格急騰の可能性もありそうだ」と警告することになろう。

 ただ、これはバイオ燃料生産の成長に有利な条件が続くという仮定に基づくという。

 Food prices forecast to stay high for 10 years,Financial Times,5.22,p.4
  Food prices forecast to stay high for 10 years,FT.com,5.22